こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。

日本の水際対策もようやく少し緩和され、日本への入国・帰国の際、9月7日より3回のワクチン接種済みなら、搭乗前のPCR検査が不要となります。これで、海外旅行や出張もだいぶ行きやすくなるのではないでしょうか。

前回、渡米の際に必要なものとしてESTAのお話をしましたが、必ずしもESTAは全ての人が使えるものではありません。本日はESTAとBビザの違いに触れながら、ESTAが利用できない場合に必要となるBビザについて、解説したいと思います。

ESTAが使用できない国の方、米国でのオーバースティや入国拒否、ビザ却下歴、犯歴等により、ESTAが利用できない場合には、必ず渡米前にビザを取得しなければなりません。ESTAで可能な米国での活動内容(短期商用、観光)はBビザで活動できる内容とイコールなため、ESTAを利用できない方はBビザを取得する必要があります。

ESTA却下歴のある方のビザ申請サポートぺージはこちら。

ESTAとBビザの主な違いは下記のとおりです。

 ESTABビザ
有効期間2年間(ただし、パスポートの有効期限が2年未満の場合には、パスポートの有効期限まで)最高10年間、犯歴がある場合等領事の判断により、短い期間となる場合あり(パスポートの有効期限には左右されない。)
滞在可能期間最高90日最高180日
滞在期間延長の可否不可

補足説明をしておきましょう。

有効期間⇒Bビザに限られませんが、パスポートが有効期限切れとなっても、ビザが有効であり、損傷等がない限り、新旧2冊のパスポートを携帯すれば、問題なくビザは使えます(他国のビザはこの限りではありませんので、ご留意ください。)。なお、古いパスポートから新しいパスポートへの転記はできませんので、どうしても新しいパスポートにビザが欲しい場合には、今使えるビザを捨てて、再度ビザ申請しなければなりません。

滞在可能期間⇒ESTA入国すれば、最高90日、Bビザで入国すれば最高180日の滞在が許可されます。滞在許可については、あくまで入国審査官の判断です。短い滞在期間しか許可されない場合もあります。入国が許可されたら、必ず、パスポートに記載された滞在期限を確認しましょう。明らかにおかしい場合(過去の日付、申告した滞在予定期間に比べ、許可期間が極端に短い等)にはその場で質問して、必要であれば訂正してもらいましょう。

米国内での滞在延長⇒ESTAの場合には原則、滞在期間の延長はできません。必ず、期限内に出国してください。

最後に良くある質問をご紹介いたします。

  1. ESTAが使える状態でBビザの申請はできませんか?

⇒ESTAが使用できる方でもBビザは申請可能です。ただし、なぜESTAではダメなのかという点について、領事が納得できる説明をしないとビザは許可されません。

2.Bビザがあれば最低半年は米国に滞在できますよね?

⇒Bビザはあくまで短期に米国に滞在するためのビザです。最大滞在可能期間が180日だからと言って、いつも180日間滞在できるものではありません。180日滞在したい場合にはその期間の米国滞在が必要な理由をきちんと説明する必要があります。

3. ESTAやBビザで米国に滞在できる最長期間はトータルで1年に180日までと聞きました。180日以内というルールを守っていれば、何度でも米国に問題なく入国できるということですか?

⇒米国移民国籍上、1年に何日まで滞在可能というような規定はありません。しかし、渡米頻度が高く、1回の滞在期間が長ければ長いほど、移民や就労を疑われ、入国拒否となるリスクが高まります。

ESTAもBビザも使いかたを誤ると、入国拒否となり、一定期間、あるいは一生、米国に入国できなくなってしまうことがあります。正しく理解して、そのようなことにはならないようお気をつけください。IMSではBビザサポートも承っております。ご自身での申請に不安がある方はぜひお気軽にIMSまでお問い合わせください。