こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。

今週はびっくりするほど、暖かい日もありましたが、もう師走です。今年もあとわずかとなりました。年末はやることが目白押しで大忙しですが、良い年を迎えられるようあと少し頑張っていきたいと思います。

最近、SNSを見ていると「おうち英語」という言葉が目につきます。いわゆる早期英語教育という意味のようです。昔は家で英語を身に着けられる家庭といえば、片親が英語ネイティブと相場が決まっていましたが、今ではお金をかけずともあらゆるチャンネルを通して世界共通語とも言える英語を学ぶ環境があるため、両親が日本人家庭であっても工夫次第で子供が小さいころから英語環境を提供できるようになっています。その目指すところは各家庭でそれぞれだと思いますが、仮にその一つのゴールを子供が米国で働くこととした場合、立ちはだかるのはビザ問題です。日本人家庭の子供が将来、米国で働く道にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは現実的かつ代表的なパターンとしていくつかの選択肢をご紹介いたします。

  • 子が米国留学(学位取得)⇒OPT⇒H-1Bビザ⇒グリーンカード取得
  • 親がLビザ等で米国駐在⇒子供が21歳までに家族でグリーンカード取得
  • 親が投資して、E-2ビザで米国駐在⇒子供が21歳までに家族でグリーンカード取得
  • 親が永住権抽選プログラムに応募⇒当選⇒家族で移民ビザを取得して渡米

子が米国留学(学位取得)⇒OPT⇒H-1Bビザ⇒グリーンカード取得

例えば、日本で高校卒業後、米国の大学に進学してBachelor(学士号)を取得、あるいは日本の大学卒業後、米国の大学院に進学してMaster(修士号)あるいはPh.D.(博士号)を取得して、その後、まずはOPT(Optional Practical Training)でFビザのまま就労。H-1Bビザという専門職ビザを就労先がスポンサーとなって、取得。働きながら、グリーンカード取得するという道です。確実かつ簡単そうに見えますが、米国の市民権や永住権がない留学生が現地で就職先を見つけることは困難を極めます。就職活動で最終面接まで順調にいったものの、ビザサポートが必要という話をした途端、打ち切られるという話は良く聞きます。就活の段階でかなり慎重に進めないとビザ問題という壁にぶち当たります。また、H-1Bビザはコンピュータによる無作為抽選により、審査を受けられるかどうかが決まるため、運次第という不確実性があります。

親がLビザ等で米国駐在⇒子供が21歳までに家族でグリーンカード取得

Lビザというのはいわゆる企業内転勤ビザです。最長滞在期間は7年間です。親がLビザで米国駐在になったら、7年間の間に会社スポンサーでグリーンカード申請できれば、家族ともどもグリーンカードを取得できる確率が高くなります。ただし、会社によっては駐在から現地雇用に切り替わることになり、待遇が下がってしまったという話も良く聞きますので、慎重に検討しましょう。Lビザ等就労ビザの帯同家族は、子供は21歳までという制限がある点にも気を付けなければなりません。

親が投資して、E-2ビザで米国駐在⇒子供が21歳までに家族でグリーンカード取得

E-2ビザは投資ビザです。上記と似ていますが、Lビザが自らの意思というよりも会社の命での赴任になるのに対し、E-2ビザは自らの意思で選択可能という点が異なります。会社によってはE-2ビザを駐在員用のビザとして使っている場合もありますが、個人の投資家でも利用可能なビザです。かなりの金銭的負担が必要となりますが、米国に法人を作り、その会社に投資して、米国内で事業を展開していけば、家族でE-2ビザを取得できる可能性があります。

親が永住権抽選プログラムに応募⇒当選⇒家族で移民ビザを取得して渡米

移民の国である米国では、年に1回、年齢等最低限の条件をクリアすれば誰でも応募できる永住権抽選プログラムが存在します。日本で出生した方(日本国籍でなくても可)は、現時点では応募可能です。かなりの倍率になりますが、運良く当選すれば、家族で米国に移住できます。例えば、小さい子を持つご家庭の場合、ご夫婦それぞれが応募し、どちらか一方が当選できれば、家族で移住できます。もちろん、当選だけで即、移住できるわけではなく、その後のビザ取得手続きは必要となります。

いかがでしたでしょうか。米国は「移民の国」というイメージが強いため、簡単に移住できると思われがちですが、将来的な移住を目指すのであれば、時間をかけてかなり計画的に考えていく必要があります。後回しにされがちなビザ問題ですが、ぜひ早めの段階で検討してみてください。

IMSでは移民ビザの取り扱いはございませんが、Eビザ等「非移民ビザ」については多数の実績がございます。非移民ビザについてのご相談も随時承っておりますので、ご希望の場合にはぜひ一度お問い合わせください。