こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。

日中、春のように暖かくなったと思ったら、翌日には底冷えのする寒さとなったり、不安定な天気が続いています。体調には気を付けないといけませんね。

アメリカ非移民ビザのEビザといえば、投資(E-2)ビザを思い浮かべる方が多くいらっしゃると思います。事実、日本人のEビザ保有者の多くはE-2ビザです。米国国務省が出している月別統計を見てみましたが、昨年11月に日本人に発給されたビザ数はE-1ビザが106件、E-2ビザは1,145件と10倍以上の差がありました。弊社にお問い合わせ・ご依頼いただくEビザもほとんどがE-2ビザですが、先日、E-1ビザでの企業登録申請(Eビザ取得のための最初の関門であり、米国企業がEビザに該当するかどうか審査されるもの)が無事に許可されましたので、本日はE-1(貿易)ビザについて、ご紹介させていただきます。

アメリカEビザ取得要件

Eビザ取得のための主な要件は下記のとおりです。

  1. 国籍
  2. 貿易額/投資額
  3. 実態のある企業
  4. マージナリティ

2以外はE-1もE-2も同じです。E-2について説明したこちらにて上記要件を説明しておりますので、ご確認ください。

ここではE-1の「貿易額」について、説明いたします。

E-2における投資額としては、「リスクのある積極的な投資実績」が求められます。それに対し、E-1ビザでは「実質的な貿易実績」が求められ、注意事項は下記の3点です。

貿易とは?

米国現地法人(Eビザカンパニー)が日本に所在する企業との間で、貿易を行ってなければなりません。輸出のみ、輸入のみでも問題ありません。また、日本の親会社が米国子会社に輸出する形でも構いません。この貿易で取り扱う商品は、モノのみならず、サービスの提供も含まれます。サービスが含まれるので、例えば、旅行業、運輸業、広告業、コンサルティング業等でもE-1に該当する可能性があります。

貿易額

貿易が「実質的(substantial)」でなくてはなりません。法律上、貿易額の規定はないものの、年間ミリオンドル相当の貿易がないと許可を得ることは難しいと言われます(ただし、絶対ではない。)。また、数回程度の多額な貿易よりも、継続的な貿易が望ましいとされます。実際に提出書類としても直近6か月の貿易実績が求められています。

対米貿易の割合

米国企業側から見て、国際貿易総額のうち50%を超える額が日米間の取引でなくてはなりません。したがって、米国内のみの取引の場合や米国企業が日本以外の国と50%以上の取引を行っている場合にはE-1には該当しません。

個人でEビザを取得しようとする場合には、E-2ビザのほうがやりやすいかもしれませんが、既にある程度の「投資」も「貿易」もある企業の場合、恐らく、書類収集の観点では「貿易」のほうが簡単だと思われます。この「投資」と「貿易」の違いはあくまでビザ申請の時のみですので、どちらでEビザを取得しても事業への影響は全くありません。特にE-2ビザでは投資額が少し足りないかもしれないという場合にはぜひE-1ビザを検討してみてください。また、コンサルティング業等「投資」するものがない事業の場合でも、「貿易実績」を作れば、E-1ビザを取得できる可能性があります。

Eビザは要件が複雑かつ手続きが煩雑なので、なかなか理解をすることが難しいビザです。しかしながら、米国政府は日本からの投資や日米間の貿易はウェルカムの立場ですので、要件に合うことをきちんと書類で証明できれば、取得できるビザです。IMSではEビザのご相談も随時受け付けております。ぜひお気軽にお問い合せください。

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