明けましておめでとうございます。行政書士法人IMSの松井です。

新年早々、予想だにしなかったことが立て続けに発生してしまい、2024年は衝撃的な年明けとなりました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。影響を被ってしまった方も含め、一日も早く、日常が取り戻されることを願っております。

さて、年が明けて、日本の年度末が近づいてまいりましたので、そろそろ帰任を言い渡されるかもとヒヤヒヤされていらっしゃるご赴任中のご家族もおありではないでしょうか。特に帯同のお子様が中高生の場合には、帰任の時期は非常に深刻な問題となります。

本日は、Lビザ、Eビザ等の米国就労ビザの本体者の方が帰任となった場合、帯同家族のみ米国に残る方法があるのか、残る場合の方法について、考えてみたいと思います。米国生まれ等で米国籍をお持ち、あるいは米国の永住権をお持ちの場合には、全く問題とはなりませんが、非移民ビザホルダーの場合には大きな問題となりますので、ビザの観点からこの問題について、検討してまいります。

結論から申し上げますと、就労の非移民ビザをお持ちの就労者が帰任となった場合、帯同ご家族がそのままのビザステイタスで米国に残留することはできません。一昔前までは、お父さんが3月末に帰任、お子さんの学年末(米国の場合、通常6月)までご家族が米国に残留するというような短期間であれば、問題ないとされておりました。しかしながら、近年はこのような特別措置は撤廃されており、ビザの有効期限、滞在期限に関わらず就労者とともに家族も米国を出国しなければなりません。

あまり知られていないようですが、米国の公立学校で就学するためには、ビザの種類が特定のものである必要があります。Eビザ、Lビザであれば、米国の公立学校に米国人や永住者と同様に通学できますが、例えば、Bビザでは公立学校に入学することはできません。したがって、ビザ問題は現在通学している学校にそのまま在籍できるかという問題にも関わってきます。下記の表は米国移民局ウェブサイトからの抜粋です。

以上を踏まえると、帰任問題に直面したご家族が検討し得る選択肢は下記のようになります。

  1. 帯同家族である母(父)親が大学等へ入学し、母(父)はF-1(学生)ビザ、子はF-1ビザの帯同家族としてのF-2ビザに切り替える。

⇒大学、大学院等学位取得コースであれば、可能性あり。語学学校への入学でのF-1ビザ申請は、ビザ却下のリスクあり。学歴や職歴を鑑みて、慎重に判断する必要あり。

  1. 子を私立学校に編入させ、F-1ビザに切り替える(ただし、米国にはF-1ビザの親用の帯同ビザなし)。寮付きのボーディングスクール等への編入、米国在住の家族に子を預ける等が考えられる。日本の学校系列でも寮付きの学校あり。

⇒この場合、親がB-2ビザ申請を行う方法はあり。ただし、B-2ビザは滞在用のビザではなく、あくまで訪問用であるため、子と一緒に長期に渡って、米国に滞在できるわけではない。

  1. Eビザを持つ親が派遣元の企業を退職し、米国内でEビザ企業登録を有する企業へ転職する(LビザからのEビザへの切替も可能)。

⇒ビザの取り直し、あるいは雇用主変更申請が必要。

  1. 帯同家族であった親が、米国内でEビザ企業登録を有する企業へ就職する。
  2. 数か月間のみなので、就労者は帰任して、家族はそのまま残る。就労者は出張で渡米し、最後に一緒に帰任する形にする。

⇒報酬の源泉が後々問題になる可能性あり。本来は不可な方法。

  1. (番外編)子を日本にあるインターナショナルスクールに編入させる。

   ⇒子の英語力に左右されるが、高い英語力が身に付いており、海外大学進学を目指すのであれば、一考の余地あり(ただし、学費は高額)。

日本の義務教育は中学校までのため、中学生までであれば帰国すれば、少なくとも自宅近くの公立中学校に編入できますが、高校生の年齢でお子さんが帰国すると、編入できる学校がない!ということにもなりかねません。いくつかの私立の高校では高1と高2の夏休みの編入試験に受かれば、編入を認めてもらえるケースもあるようですが、あくまで定員に空きがあった場合の若干名の募集となっています。

したがいまして、従業員を送りだす企業側もご赴任者に帯同のお子様がいらっしゃる場合には、その帰任時期、ご赴任者及びその家族のご要望を尊重の上、親の都合で振り回された子が将来不幸にならないよう万全の協力体制を構築してほしいと切に願います。

弊社ではこのような複雑な問題であっても、ご状況をお伺いの上、最適なご提案を行うことも可能です。帰任問題でお困りの場合には、ぜひ一度、IMSまでお問合せください。