皆さま、こんにちは。IMSの下山です。
明日はクリスマスイブですね。2022年もあと1週間で終わるのかと思うと、月日の流れはあっという間だと感じます。どうぞ皆さまが穏やかな年末年始を過ごされることを祈っております。

さて、これまでの弊社ブログやYouTubeでも言及しておりますが、弊社では「過去に逮捕歴があるのだけれど、アメリカに行けますか?」というご相談を多くいただきます。今回はその中でも「飲酒運転で逮捕歴がある方の米国ビザ申請」にテーマを絞って解説していきたいと思います。

結論から申し上げて、残念ながら過去に飲酒運転で逮捕歴がある方は、有罪・無罪に関わらずESTA(電子渡航認証システム)を利用しての渡航はできず、渡航する際にはビザの申請が必要となります。
しかし、飲酒運転による逮捕が初犯であったり、過失致死傷を伴わない場合には重大な犯罪とは見なされず、米国当局が定める「入国不適合者」に該当することもありません。

米国入国不適合者とは?

  • 品位にかかわる犯罪(レイプ・殺人・売春・近親相姦・脱税・詐欺)またはそのような犯罪の未遂もしくは陰謀を企てた人。
  • 規制薬物に関する国、米国、または外国の法律または規制の違反(または違反の陰謀もしくは未遂)をした人。
  • 複数の犯罪歴-2つ以上の犯罪(純粋に政治的な犯罪を除く)で有罪判決を受けた外国人は、有罪判決が1回の裁判であったかどうか、犯罪が1つの不正な計画から生じたかどうか、犯罪が道徳的に悪いかどうかにかかわらず、合計の禁固刑が5年以上である人

(i) In general.-Except as provided in clause (ii), any alien convicted of, or who admits having committed, or who admits committing acts which constitute the essential elements of-

(I) a crime involving moral turpitude (other than a purely political offense) or an attempt or conspiracy to commit such a crime, or

(II) a violation of (or a conspiracy or attempt to violate) any law or regulation of a State, the United States, or a foreign country relating to a controlled substance (as defined in section 102 of the Controlled Substances Act (21 U.S.C. 802)), is inadmissible.

INA Sec. 212

ビザ申請においては、一般的な申請書類に加えて逮捕の記録や裁判記録などの書類原本とその英訳を提出する必要があり、審査も慎重になるため、審査期間も長くなります。
また、過去5年以内に 飲酒運転の逮捕歴がある申請者、または過去10年間に2回以上の飲酒運転の逮捕歴がある方は、大使館・領事館指定の医療機関での健康診断を受け、自他に有害な行為を及ぼすような身体的、または精神的な障害がないことを確認することになっています。この健康診断に合格しない場合はビザが発給されません。逆に言えば、この健康診断に合格し、上述の危害を与える人物ではないと判断された場合にはビザは発給されます。
下記が指定の医療機関となりますので、ご参考になさってください。

ビザ健康診断指定医療機関一覧◆(米国大使館よりご案内)
聖母病院
電話: (03)-3951-1111
住所:〒161-0032 東京都新宿区中落合二丁目5-1

東京メディカル・エンド・サージカル・クリニック
電話:(03)-3432-5181
住所:〒105-0011 東京都港区芝公園3-4-30 芝公園32ビル

あだちまさときクリニック関西神戸(and Dr 竹村しづき)
電話:(078)-855-2753
住所:〒650-0002 兵庫県神戸市中央区北野町1丁目 ANAクラウンプラザホテル神戸 11階

沖縄アドベンチスト・メディカル・センター
電話:(098)-946-2833
住所:〒903-0116 沖縄県中頭郡西原町字幸地868

(参考: 上記画像は面接時に領事より診断を受けるよう渡されるレター)

ビザ申請においては過去の逮捕歴や犯罪歴に関して、どんな軽微な内容であったとしても正直に申告することが重要です。ESTA申請時に過去の逮捕歴や犯罪歴の申告をする適格性の質問がありますが、偽って認証を得て渡航した場合、米国で入国拒否を受けることが多々あります。

これから年末年始にかけてお酒を飲む機会も多くなりますが、くれぐれも飲酒運転はなさらないようお願いいたします。
過去に飲酒運転での逮捕歴がある方、その他の犯罪歴がある方でアメリカビザ申請でお困りの方がいらっしゃいましたら、弊社までお気軽にご相談ください。