皆さま、こんにちは。IMSの下山です。
9月も半ばというのに涼しくなる気配がありませんね。皆さまは体調など崩されていないでしょうか。

今週半ばの報道によると、国土交通省はタクシーやバス、トラックの運転手が不足している状況を鑑み、外国人労働者の受け入れを認める在留資格「特定技能」の対象に「自動車運送業」を今年度内に追加する方向で検討に入ったそうです。

現在の在留資格では、運転手(ドライバー職)に従事できる在留資格は、就労制限のない永住者や身分系資格(日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者)、特定活動46号など、一部の在留資格に限られています。
その一方でコロナ禍以降、タクシー業界ではコロナ感染を恐れて高齢ドライバーを中心に退職する人が相次いでおり、観光地や地方においてはタクシーがつかまらないなど人手不足が目立っています。
確かに私もこの夏に青森へ行きましたが、タクシーの台数は非常に少なく、東京との差を感じました。

トラックなどのドライバーを巡っては、2024年4月から残業時間の上限が年間960時間に規制されます。この影響で、更に人手不足が進み物流が滞る恐れのある「2024年問題」も、業界にとっては大変に悩ましい問題・課題です。

この状況を打開しようと、全日本トラック協会・日本バス協会・全国ハイヤー・タクシー連合会の3団体は、それぞれ今春に策定した23年度事業計画で、特定技能の対象にドライバーを追加するよう求める方針を明記。これを受けて国交省は、不足している人手の規模や今後5年間の外国人受け入れ見込み数の把握、荷物の積み下ろしや客との意思疎通など業種に合わせた運転手としての技能試験の整備を進めているそうです。

ただ、課題もあります。日本でバスとタクシーでドライバーとして働くためには普通免許のほかに「第二種運転免許」が必要です。試験は日本語のみで行われますので、外国人にはハードルが非常に高いものとなります。
特定技能の在留資格で求められる日本語能力は日本語能力試験N4以上ですが、この日本語力で果たして上述の試験に合格できるのか、疑問が残ります。
また、日本の道路事情に慣れるのにも時間は必要ですし、日本人ドライバーと同等のサービスを提供できるようにするために、各会社・団体の研修体制の構築も必要となりそうです。

国交省は制度を所管する出入国在留管理庁と協議を進めており、今後の動きには引き続き注視していく必要がありそうです。