こんにちは。行政書士法人IMSの伊東です。

出勤前に、就職説明会の予約をした留学生が一方的に企業側から予約をキャンセルされたというニュースを目にしました。企業側の説明では、過去に在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を行い、許可されなかった事例があったための対応だったとのことです。

従事予定の業務内容に因りますが、確かに外食産業で在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得することは難易度の高い申請と言えます。「技術・人文知識・国際業務」は、簡単に言うと、専門的な知識や技術を有する方を対象とした在留資格になるため、店舗での接客や調理といった業務は該当しないとされています。外食産業の一般的なキャリアプランとして想定される、まずは現場で数年間の経験を積み、適正を見極めた上で本部の部署へ配属する、というような、どのくらいの期間を現場で就労するのかを設定していない場合には、在留資格「技術・人文知識・国際業務」は認められません。一方で、入社の時点で幹部候補生として本部への配属が見込まれており、企業を理解する上で一定期間、研修として現場で経験を積むことは認めています。出入国在留管理局のホームページでは以下の案内があります。

◎「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で許容される実務研修について

https://www.moj.go.jp/isa/content/001343659.pdf

在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更が難しい場合で、日本の4年制大学以上を卒業し、日本語能力認定試験1級相当の日本語能力を有している場合には、「特定活動(46号)」という在留資格もあります。こちらの在留資格は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」よりも活動範囲が広く、在留資格「技術・人文知識・国際業務」では認められない、店舗での日本人への接客が認められます。日本に留学し、就職を希望しても就職できないことが多く、帰国せざるを得ない留学生を救済する目的の一つとして認められた側面のある在留資格です。

https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00038.html

要件を満たすだけでも、優秀な学生さんですし、雇用の可能性として検討できる在留資格です。弊社でも「特定活動(46号)」への変更申請の取次を行っていますが、優秀な学生さんだと思っています。また、こちらの在留資格での活動期間の制限はなく、店舗での就労を経て本部での業務に従事することになった場合には在留資格「技術・人文知識・国際業務」に変更申請するという可能性もあります。ただ、学生さんの立場として、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更申請を希望する方が多いことは事実です。

この「特定活動(46号)」と「特定技能1号(外食業分野)」が認められて以降、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の審査が厳格になった印象がございます。 今回の報道の中心となった学生さんは日本国籍ということで在留資格を検討する必要のない方ではありますが、企業には就職説明会の参加をキャンセルせずに、もう少し広く在留資格を検討し、日本での就職を希望する留学生の皆さんの可能性を広げていただけると良いと思います。将来、大活躍する逸材かもしれません。