こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
近頃は朝起きるとびっくりするようなニュースが米国から飛び込んでくることがあり、米国ビザサポートを行っている者として、落ち着かない日々が続いています。これからご渡米予定のある方にとっても同様でしょう。
アメリカの大学（学部）への出願時期はいくつかありますが、多くの学生が利用するレギュラー出願の場合、米国の大学からの合否通知は、通常3月から４月に届きます。複数のオファーが届いた場合のオファー受諾（入学許可を受け入れるか否か）の判断は、５月１日までとしている大学が多いようです（大学により、多少の違いはあります。）。したがって、例年、学部留学を目指す留学生は、５月頭までにどこの大学に進学するかを決定し、それを大学側に伝え、その後、学生ビザ申請のための手続きに進みます。米国の学生ビザを申請するためには、I-20と呼ばれる学校側からの正式な入学許可証のようなものが必要となります。これは、ビザ申請の際のみならず、入国審査を受ける時にも必要になる非常に大切な書類です。I-20を学校側から発行してもらうためには、学費や滞在費の支弁能力があることを示さなければならないため、親御さんの残高証明書や奨学金の受給証明書等を用意の上、学校側にI-20の発行を依頼します。通常、５月末までにI-20の発行を受け、６月～７月に掛けてビザの申請をし、８月後半～９月の渡米に備えるというのが、多くの学部留学生の例年のスケジュールかと思います。
今年は上記の学生ビザ申請スケジュールが大きく異なる様相を呈しております。以下に５月下旬からの学生ビザに関するニュースや面接枠の動きを時系列でまとめてみました。
５月２２日（木） ハーバード大に対して、留学生を受け入れる期間としての認定を取り消すと発表
※米国国土安全保障省が声明を出して明らかにしたもの。「学生・交流訪問者プログラム」の認定を取り消すようノーム長官が指示。
⇒同措置については、５月２３日にマサチューセッツ州の連邦地裁が一時的な差し止めを命じております。
５月２７日（火） 米国務省が大使館や領事館等の在外公館に、留学生のビザ申請に必要な面接予約の受付を一時停止するよう通達。
※ルビオ国務長官からの公電では、「学生および交流訪問者ビザ（Ｆ、Ｍ、Ｊビザ）の申請者の審査プロセスを見直し中と記載されていた」旨の報道あり。ビザの申請者全員のソーシャルメディアでの発言などを審査することを盛り込んだ新たな指針が示されるとされている。
５月２８日（水）夕方 日本に所在する米国大使館および領事館では、Ｆ、Ｍ、Ｊビザの面接予約は可能な状態。ただし、最短の面接予約枠は下記のとおり。（２９日以降も最短の面接時期を示しています。）
東京：８月下旬、大阪：７月下旬
５月２９日（木）夕方
東京：９月半ば、大阪 ８月半ば
５月３０日（金）夕方
東京：９月半ば、大坂：８月半ば（予約枠にかなりの動きあり、運良く７月の面接枠を取れた方あり。）
⇒弊社のお客様には次週以降、どうなるか不明なため、金曜日までの面接予約を強くお勧めいたしました。
６月２日（月）朝
東京：１１月７日のみ、大阪：なし
６月３日（火）朝
東京：なし、大阪：なし
６月４日（水） トランプ大統領が、ハーバード大で新たに留学や研究を予定する外国人の入国を一時停止する大統領布告に署名
⇒ボストンの連邦地裁が5日、ハーバード大の新規留学生の米入国を一時的に停止する大統領布告を一時差し止める決定をしております。
６月６日（金） 日本の外務省ウェブサイトでの発表（在日米国大使館から聴取した内容とのこと）
・米国政府による新たな措置が示されるまで、在日米国大使館・領事館においては、学生ビザ等取得のための面接の予約を一時的に停止している（面接の新規予約はできない。）。
・既に予約済みの面接については、予定どおり実施されている。
・面接の新規予約の再開時期は不明。
・同措置の対象は、Ｆ（学生）ビザ、Ｍ（専門学校生）ビザ、Ｊ（交流訪問者）ビザの３種類。
以上のような動きの結果、６月６日現在において、新規のＦ、M、Jビザの面接予約が一切できない状況となっております。外務省ウェブサイトに記載されているとおり、面接予約がいつ再開されるかは現時点では不明です。新規面接予約ができないということは緊急面接予約リクエストもできないということになります（緊急面接予約リクエストは一旦、通常の面接予約を取ってからでないとリクエストができません。）
この夏から留学や研究等で渡米予定の方については、不安な日々が続いているかと思います。新たな情報が入りましたら、弊社でも随時情報発信してまいります。
なお、本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。
