アメリカの就労ビザ・学生ビザ・交流訪問者ビザについて、行政書士法人IMSによく寄せられるご質問をまとめました。
「米国赴任にはEビザとLビザのどちらを使う?」「E-1とE-2の違いは?」「L-1には海外勤務歴が必要?」「F-1ビザとは?」「I-20やSEVISとは?」「OPT・CPTで働ける?」「J-1ビザの2年間帰国義務とは?」「ビザの有効期限と米国に滞在できる期間は同じ?」など、企業・駐在員・留学生からお問い合わせの多い内容をカテゴリー別に解説します。
米国ビザでは、ビザの種類だけでなく、米国で実際に行う活動、企業関係、学歴・職歴、学校・プログラム、過去の渡航歴などを確認する必要があります。
米国ビザは、原則として米国の入国審査を受けるために使用するものです。 実際に米国へ入国した後の在留資格(Status)や滞在期限は、入国時にCBPが決定し、I-94で確認します。 ビザの有効期限だけを見て米国滞在期限を判断しないことが非常に重要です。
E・Lビザの基本 よくある質問
Q1. 日本企業の社員をアメリカへ駐在させる場合、どのビザを検討しますか?
日本企業から米国法人へ社員を派遣する場合、代表的な選択肢としてE-1、E-2、L-1などがあります。
会社の資本関係、日米間の貿易、米国への投資、申請者の国籍、海外勤務歴、米国での役職・業務などによって適切なカテゴリーが異なります。
Q2. EビザとLビザは何が違いますか?
Eビザは条約に基づく貿易・投資を基礎とするビザです。
Lビザは、海外企業と米国企業の間に親会社・子会社・支店・関連会社などの適格な企業関係があり、その企業グループ内で社員を米国へ転勤させるためのビザです。
Eビザには条約国籍の要件がありますが、Lビザには同じ意味での条約国籍要件はありません。
Q3. 若手社員でもEビザ・Lビザを取得できますか?
年齢だけで決まるものではありません。
Eビザでは、申請者が経営・管理的な職務を担うのか、または企業運営に必要なEssential Skillsを有するのかなどが重要です。
Lビザでも、L-1Aの経営・管理職またはL-1Bの専門知識を有する社員として要件を満たす必要があります。
Q4. アメリカ法人を設立したばかりでも駐在員ビザを申請できますか?
申請できる可能性はあります。
ただし、新設された米国法人の場合は、既存企業への派遣と比べて、米国事業の実体、資金、事業計画、オフィス、雇用計画などについて、より詳細な立証が必要になる場合があります。
Q5. ESTAやB-1でアメリカ法人の仕事をすることはできますか?
ESTAやB-1は一般的な米国内就労のための制度ではありません。
会議、商談、契約交渉など一定の商用活動は可能ですが、米国内で実質的に労務を提供する活動を予定する場合は、E・Lなど適切な就労ビザを検討する必要があります。
Q6. EとLのどちらが「取得しやすい」ですか?
どちらかが一律に取得しやすいというものではありません。
EビザとLビザでは法的要件が異なるため、会社の所有関係、日米間の取引・投資、本人の職歴・役職などから、どちらのカテゴリーが事実関係に合っているかを判断することが重要です。
E-1・E-2ビザ よくある質問
Q7. E-1ビザとは何ですか?
E-1は「Treaty Trader(条約貿易家)」のカテゴリーです。
米国と条約国との間で、相当量かつ継続的な国際貿易を行う企業の経営者・管理職・一定のEssential Employeeなどが対象となります。
E-1では、その企業の国際貿易の50%超が米国と条約国との間で行われていることなどが重要な要件となります。
Q8. E-2ビザとは何ですか?
E-2は「Treaty Investor(条約投資家)」のカテゴリーです。
米国で実際に運営される事業へ相当額の投資を行い、その事業を発展・指揮する投資家、または対象企業の経営・管理職や一定のEssential Employeeなどが対象となります。
Q9. E-2ビザには最低投資額が決まっていますか?
法律上「○ドル以上なら必ずE-2が取れる」という一律の最低金額が設定されているわけではありません。
投資額が事業の規模・性質に照らして「substantial(相当額)」であるか、実際にリスクにさらされた投資であるか、事業が現実に運営されているかなどが確認されます。
Q10. Eビザは申請者の国籍が重要ですか?
はい。
E-1・E-2は条約に基づくビザなので、申請者が対象となる条約国の国籍を持っていることが基本要件の一つです。
また、米国企業についても、その条約国の国籍を有する者が原則として50%以上を所有していることなど、企業の「国籍」を確認します。
Q11. E-1の「貿易」には商品の輸出入しか含まれませんか?
いいえ。
E-1における貿易には物品だけでなく、一定のサービス、技術、金融、保険、運輸、通信などの国際的な交換も含まれます。
重要なのは、実際に相当量かつ継続的な国際取引が行われていることです。
Q12. Eビザの企業登録とは何ですか?
日本の米国大使館・領事館でEビザを申請する企業では、企業がEビザの条約企業として要件を満たすことを示す資料を提出し、審査を受けます。
特に初回申請では、会社の所有構造、貿易・投資、事業内容、財務情報などを詳細に整理する必要があります。
L-1企業内転勤ビザ よくある質問
Q13. L-1ビザとは何ですか?
海外企業と米国企業の間に適格な企業関係があり、その企業グループ内で社員を米国へ転勤させるためのビザです。
主にL-1AとL-1Bがあります。
Q14. L-1AとL-1Bは何が違いますか?
L-1Aは主にExecutiveまたはManagerとして勤務する方を対象とします。
L-1Bは企業の商品、サービス、研究、設備、技術、管理等について「Specialized Knowledge(専門知識)」を有する社員を対象とします。
Q15. L-1ビザには海外勤務歴が必要ですか?
原則として、申請前の一定期間に、米国外の適格な関連企業で少なくとも1年間継続して勤務していることが必要です。
一般には直近3年間のうち1年以上の適格な海外勤務歴を確認します。
Q16. 日本法人と米国法人にはどのような関係が必要ですか?
親会社・子会社・支店・Affiliateなど、Lビザ制度で認められる適格な企業関係が必要です。
単に取引関係があるだけの別会社へ社員を派遣する制度ではありません。
Q17. L-1ビザは最初に米国大使館へ申請するのですか?
個別L-1申請では、原則として米国の会社等がUSCISへForm I-129によるPetitionを行い、承認を受けた後に米国大使館・領事館でビザ申請を行います。
L-1 Blanketを利用する場合などは手続の流れが異なります。
Q18. 米国法人を新しく設立するためにL-1を利用できますか?
一定の要件を満たせば「New Office」のL-1申請を検討できます。
新設企業の場合には、オフィスの確保、資金、事業計画、組織構成などを示し、米国で実際に事業を立ち上げる計画を立証する必要があります。
特にL-1A New Officeでは、原則として承認後1年以内に経営・管理職を支える組織となることを示す必要があります。
F-1・M-1学生ビザ よくある質問
Q19. F-1ビザとは何ですか?
F-1は、米国の大学・大学院・高校・語学学校など、SEVP認定の教育機関で学ぶ学生が主に利用する学生ビザです。
学校からForm I-20の発行を受け、SEVISへの登録、必要なSEVIS I-901 Feeの支払いを行ったうえでビザを申請します。
Q20. M-1ビザとは何ですか?
M-1は、主として職業訓練や非学術的な専門教育を受ける方を対象とする学生ビザです。
F-1とは就労・実習・在留期間などのルールが異なるため、学校のプログラムに応じて適切なカテゴリーを確認します。
Q21. I-20とは何ですか?
Form I-20は、SEVP認定校がF-1またはM-1学生として受け入れる学生に発行する「Certificate of Eligibility」です。
学生ビザ申請だけでなく、米国入国、在学中の各種手続、CPT・OPTなどでも重要な書類です。
Q22. SEVISとは何ですか?
SEVISは、米国政府がF・M学生やJ交流訪問者等の情報を管理するStudent and Exchange Visitor Information Systemです。
F-1・M-1の学生は、学校からI-20の発行を受けた後、原則としてビザ申請前にSEVIS I-901 Feeを支払います。
Q23. F-1ビザは学校開始日の何日前からアメリカに入国できますか?
新規のF-1・M-1学生は、原則としてForm I-20に記載されたプログラム開始日の30日前より前に学生資格で入国することはできません。
航空券を予約する際にはI-20のProgram Start Dateを確認してください。
Q24. ESTAやBビザで学校に通うことはできますか?
「授業時間が少ないから必ずESTAでよい」と時間数だけで判断することは適切ではありません。
観光等が主目的で、学位・資格取得につながらない短期のレクリエーショナルなコースであればVisitorとして認められる場合があります。
一方、米国の学校で学位・資格取得につながる学習を行う場合などは、短期間であってもFまたはM学生ビザが必要になります。
Q25. F-1ビザを持っていれば自由にアルバイトできますか?
いいえ。
F-1は学生資格であり、一般的な就労ビザではありません。
キャンパス内就労やCPT・OPTなど、制度上認められる就労の範囲・条件を守る必要があります。
Q26. F-1ビザの有効期限が切れたら、すぐアメリカを出なければなりませんか?
必ずしもそうではありません。
ビザの有効期限と、米国内で合法的に滞在できる期間は別です。
F-1 Statusを適切に維持している場合、米国内滞在中にビザの有効期限が切れても、直ちに不法滞在になるわけではありません。
ただし、米国外へ出て再入国する場合には、原則として有効なビザが必要になるため注意が必要です。
CPT・OPT・F-1学生の就労 よくある質問
Q27. CPTとは何ですか?
CPT(Curricular Practical Training)は、F-1学生の教育課程と直接関連する実習・インターン等を行うための制度です。
学校のDSOによる承認を受け、I-20にCPTの承認が記載された後に、認められた範囲で就労します。
Q28. OPTとは何ですか?
OPT(Optional Practical Training)は、F-1学生が専攻分野と直接関連する実務経験を得るための就労制度です。
一般的には卒業後のPost-completion OPTがよく利用されますが、在学中のPre-completion OPTもあります。
OPTには学校のDSOによるRecommendationだけでなく、原則としてUSCISへのForm I-765申請とEmployment Authorization Document(EAD)の取得が必要です。
Q29. 通常のOPTは何か月ですか?
対象となる教育レベルごとに、原則として最大12か月のOPTを利用できます。
過去に同じ教育レベルでOPTを利用している場合などは、利用可能期間の確認が必要です。
Q30. STEM OPTとは何ですか?
一定のSTEM分野の学位を取得したF-1学生について、通常のPost-completion OPTに加えて24か月の延長を申請できる制度です。
学位・勤務先・E-Verify登録などの所定の要件を満たす必要があります。
Q31. CPTを長期間利用するとOPTに影響しますか?
影響する場合があります。
特にフルタイムCPTを合計12か月以上利用した場合、同じ教育レベルでPost-completion OPTを利用できなくなる可能性があるため、CPT開始前にDSOへ確認することが重要です。
J-1交流訪問者ビザ よくある質問
Q32. J-1ビザとは何ですか?
J-1は、米国政府が認可したExchange Visitor Programへ参加する方を対象とする交流訪問者ビザです。
Intern、Trainee、Research Scholar、Professor、Studentなど複数のカテゴリーがあります。
Q33. DS-2019とは何ですか?
Form DS-2019は、J-1 Exchange Visitorとしてプログラムへ参加する資格があることを示すCertificate of Eligibilityです。
米国国務省から指定を受けたProgram SponsorがSEVIS上で発行します。
Q34. J-1ビザは受入企業が直接DS-2019を発行できますか?
受入企業が米国国務省のDesignated Sponsorとして認可されていない場合、通常は認可を受けたSponsor Organizationを通じてプログラム審査を受け、DS-2019を取得します。
大学や研究機関など、受入機関自身が指定Sponsorとなっているケースもあります。
Q35. J-1ビザには「2年間帰国義務」がありますか?
すべてのJ-1保有者に一律に適用されるわけではありません。
一定の政府資金によるプログラム、米国でのGraduate Medical EducationまたはTraining、その他法律上の対象条件に該当すると、INA 212(e)のTwo-Year Home-Country Physical Presence Requirementの対象となる場合があります。
対象となる場合、一定の移民・非移民資格への変更等に制限が生じるため注意が必要です。
Q36. 2年間帰国義務がある場合、Waiverを申請できますか?
一定の条件を満たす場合、Waiverの申請を検討できます。
Waiverには複数の根拠・手続があり、プログラム内容や212(e)の対象となった理由によって必要な手続が異なります。
I-94・ビザの有効期限・米国滞在 よくある質問
Q37. I-94とは何ですか?
I-94は、米国への入国時に付与される入国記録で、入国したStatusや滞在期限等を確認する非常に重要な記録です。
現在は多くの場合電子化されており、CBPのI-94サイトから確認できます。
Q38. ビザの有効期限とI-94の滞在期限はどちらが重要ですか?
目的が異なります。
ビザの有効期限は、原則としてそのビザを使って米国の入国審査を受けることができる期間を示します。
米国へ入国した後の実際の滞在期限は、I-94に記録されたAdmit Until DateまたはD/Sなどで確認します。
Q39. I-94に「D/S」と書いてあります。どういう意味ですか?
D/Sは「Duration of Status」の略です。
F・Jなど一定のカテゴリーでは、特定の日付ではなく、認められた学生・交流訪問者等としてのStatusを適切に維持している期間を基礎として滞在が認められることがあります。
D/Sだから無期限に滞在できるという意味ではありません。
Q40. アメリカへ入国したらI-94を確認した方がよいですか?
はい。IMSでは確認をおすすめしています。
入国時のClass of AdmissionやAdmit Until Date等が想定した内容になっているか、渡米後できるだけ早く確認してください。
誤りがある場合にはCBPへの訂正依頼が必要になることがあります。
帯同家族・IMSサポート よくある質問
Q41. E・Lビザで家族をアメリカへ連れて行けますか?
要件を満たす配偶者および21歳未満の未婚の子どもは、帯同家族として申請できる場合があります。
L-1の家族はL-2、Eビザの家族はEのDerivative Statusとなります。
E・Lの配偶者については、現在の米国制度では一定の条件のもとStatusに付随して就労資格が認められます。
子どもについては、帯同家族Statusを理由とする就労は認められません。
Q42. F-1・M-1・J-1の家族も帯同できますか?
一定の配偶者・21歳未満の未婚の子どもについて、主申請者のカテゴリーに応じてF-2、M-2、J-2などの帯同資格を申請できます。
ただし就労のルールはカテゴリーごとに異なります。
F-2・M-2は原則として就労できません。 J-2については、USCISへEmployment Authorizationを申請し、許可された場合に就労することができます。
米国政府の公式情報
米国赴任・留学・研修ビザについてお困りの方へ
E-1・E-2・L-1による米国赴任、F-1・M-1学生ビザ、J-1交流訪問者ビザなど、企業・学校・申請者それぞれの状況に応じて行政書士法人IMSがサポートします。
アメリカビザについてIMSへ問い合わせる





