こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
今年は暦に恵まれましたので、ゴールデンウィークに海外旅行を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。日本のパスポートは世界最強クラスと言われます。これは日本人がビザなし(アライバルビザを含む。)で渡航できる国・地域が2026年1月時点で世界第2位の188カ所にも及ぶためです。世界の国数は196カ国なので、日本人はほぼ世界中の国や地域にパスポートのみで行けるということになります。
世界最強クラスのパスポートを持つ日本人であっても、「ビザ(査証)」という言葉を聞いたことがないという方は少ないと思いますが、皆さんはこの言葉を正確に説明できるでしょうか?一口に「ビザ」と言っても、国によってそのルールや取り扱いは異なります。これは外国人の入国や在留については、その国家の裁量(恩恵的措置)に基づき、決定されるためです。したがって、外国人の出入国や在留に関しては、世界統一のルールは存在しません。まずは国によってルールは異なるということを理解しましょう。渡航先の国のビザや出入国に関する基本的なルールについては、必ず渡航前に確認しておくことをお勧めいたします。そうでないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ここでは私たちが専門的に取り扱っている米国について、考えていきます。下記について、〇×のいずれかお分かりでしょうか。なお、ESTAとはビザ免除プログラムを利用して渡米する旅行者の適格性を判断する電子システムです。短期商用や観光での渡米の場合に利用可能です。
- パスポートとビザ(あるいはESTA)があれば、渡米できる。
- ビザ(あるいはESTA)があれば、入国拒否に遭うことはない。
- ビザの有効期間内なら、問題なく米国に滞在できる。
- ビザはきちんと申請すれば、許可される。
- ビザの有効期限が切れた状態で米国に滞在するのは違法である。
1. パスポートとビザ(あるいはESTA)があれば、渡米できる。
⇒正確には「有効なパスポートと有効なビザ(あるいはESTA)があれば、米国行きのフライトに搭乗できる」です。つまり、有効なパスポートと有効なビザ(あるいはESTA)がない場合には、米国行きのフライトに搭乗することすらできません。有効なビザやESTAを所持しない乗客を搭乗させた航空会社には米国の法律により、ペナルティが課されることになっているため、各航空会社は乗客のチェックイン時にきちんと確認の上、搭乗手続きをとります。
2. ビザ(あるいはESTA)があれば、入国拒否に遭うことはない。
⇒ビザやESTAは決して入国を保証するものではありません。ビザは単なる「推薦状」程度と考えてください。ビザかESTAがないとフライトに搭乗できませんが、入国が認められるかどうかは米国に到着後のイミグレーションでの入国審査を経て、決定されます。入国が許可されない場合には、多くの場合、自らの費用負担で母国や出発地等に戻らなければなりません。ですから、ビザやESTAがあっても、入国拒否に遭うことはあり得ます。
3. ビザの有効期間内なら、問題なく米国に滞在できる。
⇒ビザの有効期限は米国での滞在期限とイコールとは限りません。ビザの種類によって、最長滞在可能期間は異なります。多くのケースで、ビザの有効期限よりも滞在期限のほうが短くなっているので、この勘違いは致命的になることがあります。米国の場合、滞在期限は入国審査時に入国審査によって決定されます。以前はパスポートの入国許可証印(スタンプ)とともに滞在期限が手書きで記されましたが、現在、多くの空港ではスタンプレス化され、パスポート上には押印されなくなりました。では、どのように自身の滞在期限を確認すれば良いかというと、I-94 という米国の出入国管理システムにて自ら確認することになります。こちらの記事もご参照ください。
ご自身の滞在期限やビザの種類に誤りがないかは渡米直後に確認することが大切です。万が一、誤りがある場合には、速やかにCBPに問い合わせをして、訂正を申し出ましょう。
4. ビザはきちんと申請すれば、許可される。
⇒日本人はESTAの利用が可能ですが、留学や就労等渡米目的によってはそれぞれの目的に応じたビザの取得が必要となります。ビザは申請さえすれば、許可されるものではありません。米国の場合には、移民国籍法等の法律に基づいて、米国大使館(あるいは領事館)の領事がビザの発給の可否を判断します。
5. ビザの有効期限が切れた状態で米国に滞在するのは違法である。
⇒上記3で説明した通り、ビザの期限と滞在期限は異なります。ビザの期限が切れても、滞在期限が有効な場合、その米国滞在は合法です。また、ビザの期限が切れても、米国移民局にビザステイタスの更新や変更申請を行い、許可されている場合には、その滞在も合法です。
いかがでしたでしょうか。上記はあくまで米国の法律に基づく、米国のルールです。他国は他国のルールがあります。海外への渡航は想像以上のハードルがあります。事前にきちんと備えを講じて、楽しい旅行や重要な出張が台無しにならないように気を付けましょう。
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