こんにちは。

行政書士法人IMSの李でございます。

コロナ禍の影響でリモートワークや多様な就業体系が可能となってきている昨今であります。リモートワークが可能となることによって、インターネット環境とPC(さらに言えばタブレットやスマホ)さえあれば海外の仕事が日本でできてしまうという状況も増えてきているかと存じます。そうなりますと、日本で留学していて、海外の企業に採用され、日本に在留したまま海外の仕事ができる状態がありえるわけです。海外の企業等を通して来日し駐在員として就労する場合や、日本の企業に雇われている場合であれば、就労ビザの問題は特にないかと思いますが、日本に拠点のない海外の企業に採用され、前述のような状態になった場合、どういう方法があるのか・・・

いろいろなパターンが想定できるかと存じますが、お問い合わせがあった一つのパターンをご紹介しようかと思います。みなさま、どのような方法をお考えになられますか。

その方のお問い合わせ内容は、個人でフリーランスとして登録し、海外からの仕事を受け日本で就労ビザを申請する方法がないか、というものでした。

フリーランスという就労形態でのビザの取得は、日本だけでなく海外でもなかなか難しいです。海外でフリーランスのビザが発給されている国は多くはないのですが、例えばドイツでは、フリーランサーが取得できる、その名の通り「フリーランスビザ」が発給されています。

日本ではどうかと言うと、日本には「フリーランスビザ」はございません。日本でフリーランスで仕事をしながら在留するとなると、その業務内容にあった就労ビザを取得することになります。在留資格によって行える活動が異なるため、該当する就労関係の在留資格の中から申請することになります。日本での就労関係の在留資格は大きく分けると19種類(出入国管理及び難民認定法別表第一の一、第一の二)あり、フリーランスの業務に関連する在留資格となると、15種類程になります。それに該当しなければならないということです。

フリーランスとして登録することに関しては、税務署に行って開業届を出せばよいのですが、フリーランスビザとして申請できるドイツと異なり、日本の場合、外国籍の方はその業務内容に沿った在留資格を申請する必要が出てくるということになるので、フリーランスで在留資格を取得するには難易度が高いですね。

また、上記の方の場合、海外の企業から仕事を受けることになるため、例えば、ほとんどの就労関係の在留資格は、その活動が、「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う~」とあるため、日本に拠点のない海外企業との契約に限られる場合、在留資格該当性が無いということに繋がり、日本での就労ビザを取得するのは難しいようです。例えば、同時に日本企業との業務委託契約を結ぶ等、日本に拠点がある企業との契約が必要になってくるかと存じます。

諸外国でも同様に、やはりその国に滞在していなければならない事情がなければ在留資格を取得するのは、まだまだ難しい傾向にありますね。ただ人口減少に歯止めの利かない日本ですから、外国人材を呼び込むひとつの方法として、ドイツのように「フリーランスビザ」を発給する日もそう遠くはないかもしれません。ドイツでは、90日のビザで入国し、フリーランスビザを申請、最長3年までの在留期間が付与され、数回更新した後、定住の在留資格の申請が可能となるようです。

コロナ禍で停滞はしていますが、国際移民の人口は増え続けているので、様々な在留資格の形態が現れてくるのは自然なことなのかもしれません。

フリーランスをお考えの方々、就労ビザの申請が必要になります。就労ビザのご相談等がございましたら、ぜひ弊社へお問い合わせくださいませ。