こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
新年度が始まり、朝も夜も新入社員と思われる方々をお見かけします。まだスーツ慣れしていない感じの雰囲気で初々しいですね。ぜひ頑張ってお仕事を続けていただきたいと思います。

ESTA滞在は90日まで


アメリカのESTAに関するお問い合わせは、毎日のようにいただいております。ESTAとは、短期商用あるいは観光・親族訪問での渡米の際に特定の国籍者に限り利用できる米国特有の入国事前審査制度です。日本人等はいわゆるビザなしで渡米が可能となりますが、事前にオンラインで承認を得ておいてねというプログラムです。詳細は、こちらの記事をご参照ください。ESTA渡米の場合、最大滞在可能期間は90日とされています。重要なのは、ESTA渡米の場合には、米国内で滞在期間の延長も滞在資格の変更もできないという点です。ですから、ESTAで渡米した場合は90日以内に一旦、米国から出国しなければ、オーバースティとなってしまいます。オーバースティ歴があると、その後の渡米、ビザ申請等に大きな影響を及ぼしますので、注意しましょう。

カナダやメキシコに行けば良い?


そこで、多くの方が一旦、カナダやメキシコに行けば、この90日がリセットされて、さらに90日米国に滞在できるのではないか?と思うようです。残念ながら、この答えはNoです。

米国政府はこの点において、カナダ、メキシコ、カリブ海諸国については米国内とみなすため、カナダやメキシコに出国して、米国に戻った場合には、90日から前回滞在日数をマイナスした期間しか滞在を許可されません。90日丸々使いきっていた場合には、入国拒否になってしまう可能性もあります。

その根拠は?

FAM(Foreign Affairs Manual) という公的文書(米国領事がビザ審査の際に参照するマニュアル)には下記のように記載されています。

9FAM 201.1-4(C)(e)(2) (U) Side Trips Permitted Within 90-day Limit:
(a) (U) Travelers participating in the VWP who make their initial entry into the United States by air or sea must arrive aboard one of the participating carriers. After the initial admission into the United States, under the provisions of VWP, a foreign national may temporarily depart to, and return from, Canada, Mexico, or adjacent islands by car or other carriers if the total stay in the United States and the time accrued in contiguous territory and/or adjacent islands does not exceed 90 days.
(b) (U) In other words, a side trip to Canada, Mexico, or the adjacent islands does not “reset the clock” for VWP travelers, unless the traveler is resident in the country to which they travel. (For further information see Chapter 15.7(i) of DHS Inspectors Field Manual, Readmission After Departure to Contiguous Territory or Adjacent Islands.)

VWPは Visa Waiver Program(ビザ免除プログラム)の略であり、いわやるESTA渡米のことです。このようにFAMには「米国への入国後、ビザ免除プログラムの規定により、カナダ、メキシコ、隣接諸島への一時的な出国と再入国は可能だが、米国と近隣国外での合計滞在日数が90日を超えてはならない」と明記されています。つまり、カナダ、メキシコ、または隣接する島への旅行は、そこが自分の居住国でない限り、90日の期間をリセットすることはできず、ESTA渡米後にカナダやメキシコに行っても、基本的には米国に戻った際には残りの期間=90日-(米国滞在期間+近隣国での滞在期間)しか与えられません。

隣接諸島(adjacent islands)とは?

隣接諸島についてもFAMにきちんと定義されています。

 The term “adjacent islands” includes Saint Pierre, Miquelon, Cuba, the Dominican Republic, Haiti, Bermuda, the Bahamas, Barbados, Jamaica, the Windward and Leeward Islands, Trinidad, Martinique, and other British, French, and Netherlands territory or possessions in or bordering on the Caribbean Sea.

つまり、サンピエール島、ミクロン島、キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、バミューダ、バハマ、バルバドス、ジャマイカ、ウィンドワード諸島およびリーワード諸島、トリニダード、マルティニーク、その他カリブ海にある、またはカリブ海に接するイギリス領、フランス領、オランダ領が隣接諸島とみなされるため、これらの国、島に米国から渡航し、ESTAで米国に戻る場合には90日丸々の許可はもらえないとお考え下さい。


いかがでしたでしょうか。ESTAは大変便利な制度ですが、使い方を間違えると今後の渡米に大きな影響を及ぼします。

最近はネットで航空券を手配されるので、フライトチケットは買ったものの、実際にはその日程ではビザの関係上、無理だった!ということが多発しているように思います。十分に下調べをしてから、ご旅行なさってください。

弊社では、ESTA渡米に関するご相談を随時お受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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