こんにちは。行政書士法人IMSの伊東です。

新年を迎え、約2週間が経過しました。4月の入社に向け、在留資格変更許可申請を行っている又は行う予定の外国籍の方が多くいらっしゃることでしょう。弊社でも毎年承っている企業からのご依頼やお問い合わせを日々いただいております。

家庭の事情で就学時期に在留資格「家族滞在」で来日し、小学校、中学校、高校と日本の学校で学んだ方の中には、高校卒業後に進学せず、就職を希望する方もいらっしゃると思います。在留資格「家族滞在」は配偶者や親の扶養を受けて生活する方に該当する在留資格のため、高校卒業後に週28時間を超える就労を行うことはできません。また、日本では民法が改正され、2022年4月1日以降、成年年齢が20歳から18歳に変更されました。各国の成人年齢や申請人の方の背景で考慮される場合もありますが、上記のことから18歳を超えると扶養されることなく、自活できるのではないか、又は自身の背景で在留資格を保持できるのではないかと判断され、在留資格「家族滞在」の在留期間更新許可申請の許可の難易度は高くなります。大学や専門学校に進学を予定している方の場合は在留資格「留学」への在留資格変更許可申請をすることになりますが、進学を予定せず、引き続き日本に在留し、フルタイムで就職する場合に在留資格を変更するための壁を超えなければなりません。

外国籍の方が日本で就職する場合、大学や専門学校といった高等教育機関を卒業した場合にも就職先を見つけることに難航することが多々あると言われています。一般企業で就職する場合、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に変更される方がほとんどですが、こちらの在留資格の要件として、①国内外問わず大学を卒業し、学士以上の学位を取得していること、②日本の専門学校を卒業し、専門士の称号を授与されていること、③10年以上の在留資格「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事した経験があることのいずれかを求められます。この時点で、到底、高校卒業の方が要件を満たすことは難しいことが分かります。エンジニアとして就職する場合にはIT告示(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の技術・人文知識・国際業務の在留資格に係る基準の特例を定める件 https://www.moj.go.jp/isa/laws/nyukan_hourei_h09.html)に該当する試験に合格していれば、学歴・職歴要件を満たさずにこちらの在留資格の要件を満たすことになりますが、高校卒業したばかり(する見込み)の方にはなかなか難しい条件ではないかと思います。その他、調理師として働く場合には、在留資格「技能」が該当しますが、一般的には、「専門とする料理の調理経験が10年以上あること」が要件とされていますので、こちらを満たすことはないと考えられます。また、在留資格「特定技能」がありますが、特定の職種の除き、現時点はで最長5年間の滞在という期限付きの在留となり、好まない方が多いかもしれません。

小さな頃から日本で生活し、日本の生活に馴染んでおり、日本に生活の基盤があるという方が多くいらっしゃると思います。母国語よりも日本語の方が流暢であり、本国での生活に馴染む方が難しいにも関わらず、該当する在留資格がないために、日本を離れなければならないという事情はあまりにも不都合ではないかと思います。そのような方を対象に出入国在留管理庁は2種類の在留資格への変更について案内しています。それは、「定住者」と「特定活動」です。なぜ2種類あるのかについて疑問を持たれる方もいるかもしれません。それはそれぞれに申請の要件が異なるためです。次回はこちらの2種類の在留資格の違いと申請に必要なおおまかな書類についてお知らせします。