こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
昨夜は突然の大きな揺れと携帯からの緊急地震速報のアラームに心臓がドキッとしてしまいましたが、皆さまご無事だったでしょうか。1週間ほどは余震が続く恐れがあるそうなので、用心したいものです。
アメリカ企業内転勤ビザ
さて、本日は最近お問い合わせの多い米国Lビザについて、お話させていただきたいと思います。Lビザはいわゆる企業内転勤ビザと呼ばれるもので、多国籍企業のグループ内の転勤に最も適しているビザです。Lビザの中にもいくつかの種類がありますが、米国に駐在員を派遣する多くの企業が利用しているのは、ブランケットLビザと言われるものです。本来、Lビザは米国外の在外公館(大使館、領事館)でビザ申請を行う前に、米国移民局に請願(Petition)の許可申請をしなければなりません。いわば、移民局のお墨付き(許可)を得てからでないとビザ申請ができない仕組みとなっています。しかしながら、人事異動が頻繁に行われる大企業にとって、審査に時間の掛かる移民局の審査を逐一待っていては、経済活動に大きな支障が出てしまいます。そこで、一定の基準を満たす場合には、企業丸ごとのLビザの許可を得ておけば、個々のビザ申請において請願許可は不要となる仕組みが存在します。企業にとってはブランケットLビザを利用するメリットは非常に大きいと言えます。
また、Lビザには注意すべき期限が複数あるため、非常に分かりづらく、きちんと理解をしておかないとうっかりオーバースティなんてこともあり得ます。Lビザ所持者は下記の3つの期限は押さえておきましょう。
- Lビザの期限:通常、発行日から5年後となっています。
- PEDの期限:米国で就労可能な期限。 PEDは、Petition Expiration Dateの略。通常、有効期限は就労開始日 から2年あるいは3年後。ブランケットLビザの場合、I-129Sという書類とビザ面の右下に記載されています。
- I-94の期限:米国への入国時に決定される滞在期限。昔はカードがパスポートに貼付されたが、現在はオンラインでチェックできる。パスポートの入国証印のところにも滞在期限は記載される。オンライン上のI-94の記録とパスポート上の記載に齟齬がないことを入国後すぐに確認する必要あり。パスポートの期限が短い場合には、パスポートの期限に合わせて、滞在期限が決定されるので、特にパスポートの有効期間が短い帯同の子供は要注意。
②のPEDというのは他のビザにはない概念なので、非常に分かりづらいです。いくら、ビザの期限が十分にあってもPEDが切れてしまえば、米国内で働くことはできません。そこで、ビザの有効期間は十分にあってもPEDが切れる前にビザ申請を行って、再度新しい就労の許可を得ることが必要となります。
なお、最近、ブランケットLビザ申請に必要なI-129Sのフォームが改訂されました。11月17日以降の申請では、フォームの左下に「Edition 09/03/21」と記載されているものでないと受け付けされませんので、ご注意ください。このフォームは結構頻繁に改訂されているので、常に最新版のものを使用することをお勧めいたします。