こんにちは。行政書士法人IMSの李でございます。

本日から永住許可申請の際に注意するポイント、重要なポイントについて数回に分けてご案内さしあげます。

まず永住許可申請については、出入国在留管理局ホームページにもあります通り、永住許可に関するガイドラインをご覧になっていただければと存じます。

https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyukan_nyukan50.html

下記のように、

1 法律上の要件

2 原則10年在留に関する特例

について説明がございます。

まず、「1.法律上の要件」については、

(1)素行が善良であること

(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

この(1)、(2)、(3)の法律上の要件は何をもって証明するのか。

まずこの3つの要件について簡単に説明すると、(1)に関しては、法令に違反することのないこと等を意味しており、(2)に関しては、公共の負担にならず将来において安定した生活が見込まれるかどうか、(3)の国益要件に関しては、長期間日本の社会に構成員としての居住や、公的義務(納税、保険料納付、届出等の義務)の履行等を指しています。

(1)についてはここでは触れませんが、(2)に関しては、永住申請される方の現在の在留資格によっても証明するものは異なりますが、基本的には、申請者様が就労されている場合はその方の年収と預金通帳の残高、その他資産がある場合はその登記事項証明書等を提出することになります。

ポイント!

将来において安定した生活が見込まれるかどうかという観点から、傾向としては、預金残高よりも年収に重きを置いている印象があります。預金残高が高くても年収が低い場合は永住許可申請で許可を得るのが難しいです。逆に預金残高が低く、資産がない場合でも年収が一定以上で安定している場合は許可が下りる可能性が高いです。また、定職についているか等も審査には影響するので、年収の増額がない、または減額になるのに転職している場合、転職の頻度が多くなるようなことは避けたほうがよろしいかと存じます。

(3)に関しての注意するポイントとしては、長期間日本の社会に構成員として居住しているということが必要ですから、「2 原則10年在留に関する特例」に該当する人以外は、引き続き10年以上日本に在留している必要があります。そのうち5年は就労資格又は居住資格を持っていなければなりません。また、上記特例に該当する人も含めて現在の在留資格での在留期間が「3年」以上でなければ申請ができません。

ポイント!

引き続き10年以上日本に在留に関して、どの程度の期間であれば日本を離れても問題ないのか、という部分に問い合わせが多いのですが、こちらに関しては入管によって明らかに定められた期間はございません。弊社では3カ月以上日本を離れた場合を目安に考えております。半年を目安にされている他社様の例もございますので、一概には言えないところではあります。日本を離れている期間が例えば3カ月以上にわたっても、合理的な理由がある場合はその出国期間だけをもって継続性が問われるわけではないです。例えば、海外出張等の理由で長期間再入国出国していたとしても、業務完了後今後も日本で生活をすると見込まれ、その出国理由を合理的に説明(証明)できれば出国期間が長期にわたっても問題とならないと言えます。

また、この「継続在留要件」ですが、合理的な理由という点では、現在の新型コロナウィルス感染症の影響により、再入国許可又はみなし再入国許可又はみなし再入国許可の有効期間内に再入国できず,一度在留が途切れた期間がある方に関しても、それを考慮する取扱いがなされております。該当する人に関しては、日本へ入国後に改めて永住許可申請を行う場合において,当分の間,「永住許可に関するガイドライン」との関係では,当該期間についても継続して日本に在留していたものとするとあります。方法としては、通常の申請書に申立書を添付することによってこの様な取り扱いを受けることができます。

詳細については、下記をご覧ください。

https://www.moj.go.jp/isa/content/930006016.pdf

また、この(3)の国益要件に関しましては、公的義務(納税、保険料納付、届出等の義務)の履行がかなり重要なポイントでございまして、弊社でも永住許可申請代行をお受けする際にはこちら納税状況や保険料の納付、届出等の確認を事前に行わせていただいております。こちらに関しましては、次回、永住許可申請の際の注意すべきポイント②でご案内させていただきます。

弊社では様々な永住許可申請の事例がございますので、お客様の個々の状況に合った申請方法をコンサルティングを通してご案内させていただくことができます。永住許可申請をご検討の方は、まずはお気軽にお問合せくださいませ。