こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。

今年6月に出されたアメリカの大統領令により、Lビザ、Hビザ、Jビザ等のビザ発給及び新規入国が停止されていることについては、以前にご案内のとおりです。これは、新型コロナ感染拡大に伴うアメリカ国内での失業率の上昇を受けて、アメリカ人の雇用を守るため出された措置です。この措置は、少なくとも年末まで続きますが、延長可ともされているため、先行きは未だ見えません(恐らく、大統領選が終わるまでは全く分からないと思われます。)。こういった事情なので、現時点で新たに日本人がアメリカに入国し、就労ができるほぼ唯一のビザがEビザとなってしまいました(もちろん、OビザやPビザ等大統領令による制限を受けないビザは他にもありますが、これらはかなり特殊なビザなので、ここでは割愛させていただきます。)。最近、Eビザのお問い合わせが増えているのは、確実に大統領令による影響だと思っています。

いわゆる駐在員や赴任者と呼ばれる人たちが利用してきたアメリカビザは、LビザとEビザです。Lビザは「企業内転勤ビザ」とも呼ばれ、日本の親会社からアメリカの子会社への転勤などの場合に利用可能です。また、Eビザには「貿易ビザ(E-1)」と「投資ビザ(E-2)」がありますが、E-1ビザについては、相当な金額の貿易の実績がないと取れないビザのため、多くの日本人が利用しているのは、E-2ビザです。LビザとEビザの両方のビザを利用している企業も多くあります。駐在員からすれば、LビザでもEビザでも大差はなさそうに見えますが、両者には大きな違いがあります。最大の違いは、Eビザは「条約」に守られているという点でしょう。Eビザは2国間の通商航海条約に基づくビザなので、一方的な停止措置等ができません。2国間の合意があって初めて相手国の国民に対して不利益になるような措置がとれます(また、通常は相互に行われます。)。というわけで、Lビザが停止されてしまった現状でも、Eビザは利用可能なわけです。

3月19日から停止されていた面接業務については、東京の米国大使館では未だ通常の非移民ビザ面接業務は停止中ですが、大阪の米国領事館では7月末より一部の非移民ビザについて、業務が再開されています。弊社のお客様でも、東京から大阪に面接を変更して、面接に行っていただき、Eビザが発給された方もいらっしゃいます。一方で、東京で緊急ビザ面接予約リクエストが認められて、無事にEビザが発給されたケースもあります。

Eビザ申請には、クリアすべき様々な条件があります。今までLビザしか利用していなかったけれど、Eビザについても検討してみたいという企業の人事ご担当者がいらっしゃいましたら(もちろん、赴任を控えていらっしゃる方も)、お気軽にIMSまでお問い合わせください。