こんにちは。行政書士法人IMSの竹内です。

最近はめっきり寒くなり、冬の訪れを感じているこの時期になると、忘年会等でレストランなどのお店を訪れる機会が増えるのではないでしょうか?

今回はそんな飲食店で働くための就労資格についてお話しさせていただきます。

① 特定技能【外食】

こちらは人材の確保が困難な一部の産業分野等における深刻な人手不足に対応するため、

一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れている制度です。

この「特定技能 外食業」での活動内容を出入国在留管理庁のホームページで確認すると、調理や接客はもちろん、シフト管理や作業マニュアルの作成・改定、メニューの企画・開発など多岐にわたっています。まさしく「即戦力」として店舗の実務に従事する資格と言えます。また、通常の飲食店だけでなく、持ち帰り・飲食サービス店でも働くことが可能です。

資格取得要件は

  • 特定技能の測定試験に合格した者
  • 日本語能力試験N4以上

となっており、(最大で一年毎の更新で)最長で5年間日本に在留できますが、それ以降は他の在留資格に変更しないと在留はできません。また、この5年間の在留期間は永住許可申請の必要滞在歴にもカウントされませんので、ご留意ください。

➁ 特定活動(日本の食文化海外普及人材育成事業)

こちらは日本で外国人料理人を育成、その方々が母国に帰国した後に日本の食文化の普及を促進させることを目的とする農林水産省管轄の事業です。

調理または製菓の学校を卒業し、引き続き日本の食文化に関わる飲食店(事業所)にて技術を学ぶことができる制度です。

資格取得要件は

  • 調理師(申請資格を得た者を含む)
  • 製菓衛生師(申請資格を得たものを含む)

であり、在留期間は上限5年と決められています。事業概要からわかるように帰国が前提の在留資格です。また、特定技能「外食業」と比較して、活動内容は「調理等(製菓・製パン含む)の技術を要する業務に特化」となっています。

③ 技能(調理師)

出入国在留管理庁の基準では「料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務に従事する者」と定義されています。

いわゆる「本場の料理を本国のベテラン調理師さんが調理する」という認識です。

資格取得要件(申請人本人)

  • 実務経験10年以上(タイ料理人は除く)

ですが、実際に当該経験を証明する疎明資料として過去の在籍証明書の提出、レストランなどの所属機関側でもメニュー(専門性)や座席数(店舗規模)等も審査項目と言われています。また、本資格は「外国本国での熟練した調理技能」が認められて付与されるものですので調理以外のことはできません。接客、レジで会計業務をする等には携わることはできません。

④ 特定活動46号

こちらは大学などで修得した学修成果(専門的知識)等を高い日本語能力で活用することより幅広い業務に従事するというものです。本資格では「技術・人文知識・国際業務」では通常認められない単純労働であるサービス業や製造業務も可能となります。

本資格取得要件(以下の要件をすべて満たすこと)

  • 日本の大学(院)、日本の短期大学、高等専門学校を卒業(外国の学校は不可。)
  • 日本語能力試験N1またはBJT日本語能力テスト480点以上

(※または日本の大学または大学院で「日本語」を専攻して卒業)

活動例は

  • 飲食店で店舗管理業務や通訳を兼ねた接客業務を行う
  • 工場のラインで日本人従業員から受けた作業指示を他の外国人従業員に外国語で伝達しつつ、自らもラインに入って業務を行う等 (※ガイドラインより抜粋)

接客やライン作業などの単純労働を主目的として活動することはできず、「翻訳・通訳」等の日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を主体とし、付随業務として上記のような単純労働ができるというものです。この点は必ず守らなければならないポイントです。

一つの店舗に様々な在留資格の人が集まってお店を盛り上げている、そんな視点でお店を見れば、さらに楽しめるのかもしれません。今回もお読みいただきありがとうございました。

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