こんにちは。行政書士法人IMSの洪です。

記事によりますと、外国人起業家の要件緩和として、事業所や出資金なしでも全国で2年間滞在できるようにし、出入国在留管理庁は2024年度中にも在留資格の「経営・管理」に関する省令などを改正するとのことです。また、国家戦略特区と経済産業省に分かれている2つの外国人スタートアップ事業は統合されるようです。与えられる在留資格等概要はまだですが、今後の政府案内を注視したいと思います。

さて、今回は、二つの外国国籍を持っている所謂二重国籍外国人が、在留カード上の国籍欄の国籍変更ができるかどうかについて、ご説明いたします。

日本や中国等二重国籍を認めない国もあれば、アメリカやフランス、ドイツ等二重国籍を認めている国もあります。そして、二つの外国国籍を持って二重国籍者として日本に滞在している外国人の方も少なくいらっしゃいますが、在留カード上の国籍欄の記載を、もう一方の国籍に変更出来ますかというお問い合わせをいただくことがあります。

入管法第十九条の十では「住居地以外の記載事項の変更届出」が定められており、手続対象者は、氏名、生年月日、性別又は国籍・地域に変更が生じた中長期在留者が該当します。一見すると簡単に国籍の変更届出ができそうに思われるかも知れません。しかし、入管の必要書類の案内をみますと、以下の書類が求められています。

(3)国籍・地域を変更した場合
在留カードの国籍・地域欄に記載されていた国籍・地域を離脱又は放棄したことを証する文書及び新たに国籍を取得した国の旅券等
掲載先ページ
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00009.html

つまり、上記必要書類に求められているとおり、片方の国籍を離脱又は放棄したことが分かる書類が必要なため、二つの外国国籍を持ったままの状態では在留カード記載の国籍変更はできないことになります。

ですので、どうしてももう一方の国籍が記載された在留カードがほしい場合には、一旦日本から出国し(出国の際は、空港で在留カードを返納する)、改めてご希望の国籍で「在留資格認証証明書交付申請(COE申請)」を行い、新たにビザを取得して日本に入国する方法が考えられます。ただ、このような場合のCOE申請においては、申請理由を求められたり入管審査に時間を要したりする可能性があります。日本から出国しないといけない、在留資格の取得手続きのやり直し、ビザ申請といった手間ひまがかかりますので、やむを得ない事情がない限り、あまりお勧めはいたしません。

なお、二重国籍であることを、在留カードの裏面に記載していただく手続きは存在します。在留カードの国籍欄に記載されている以外に持っている国籍を、入管で手続きを行うことで在留カードの裏面に「国籍:●●●」のような形で記載されますので、ご希望の方は、両方のパスポートと在留カードの原本を持参のうえ、入管窓口で簡単に手続きが可能です。大したメリットはないかも知れませんが、こちらの手続きをしておけば、持っている二つのパスポートのいずれかを提示することで出入国手続きが可能です。例えば、一つのパスポートの有効期限が切れた場合、入管から二重国籍の確認を得ていますので、もう一つのパスポートで出入国手続きが可能です。

弊社では、日本ビザ、アメリカビザ、ベトナムビザ(各種書類の領事認証・合法化の代行も扱っております)を専門に取り扱っておりますので、これらの手続きでお困りの方は、ぜひ弊社にお問い合わせください。