こんにちは。行政書士法人IMSの伊東です。10月に入り、過ごしやすい気温になりました。ただ、インフルエンザが流行しており、感染症に罹りやすい季節になりましたので、気を付けたいところです。
先日、ご両親が日本人と永住者の外国籍の子どもを海外から呼び寄せたいというお問合わせがありました。在留資格は29種類あり、活動内容に応じた在留資格と身分・地位に基づく在留資格の大きく2つに分けられます。活動に応じた在留資格は、報酬を得て大学で研究、教育、指導を行う「教授」、研究所で研究活動を行う「研究」、企業で就労する「技術・人文知識・国際業務」、教育機関で学ぶ「留学」等の在留資格で、身分系は「永住者」、「永住者の配偶者等」、「日本人の配偶者等」、「定住者」があります。
日本人の子どもとして呼び寄せる場合には「日本人の配偶者等」、永住者の子どもとして呼び寄せる場合には「定住者」という在留資格が想定されます。永住者の子なのになぜ「永住者の配偶者等」ではないのかと疑問に思う方もいるかと思いますが、「永住者の配偶者等」は日本で出生した場合に該当する在留資格です。日本で出生した場合には、上陸の手続きを経ないため、在留資格認定証明書交付申請ではなく、在留資格を得る必要が生じた場合に行う在留資格取得申請を行うことになります。永住者の子の場合には「永住者」の在留資格を申請することもできますが、入管が何らかの理由で要件を満たさないと判断した場合には、「永住者の配偶者等」で在留が認められます。日本で生まれ、小学校・中学校の義務教育を受け、高校を卒業し、就職する場合には「定住者」に変更できる可能性もあります。入管のホームページでは在留資格「家族滞在」をお持ちの方とされていますが、変更への検討の余地はあります。ただ、ご両親が「永住者」であれば、すでに高校卒業の時点で「永住者」となっている方もいらっしゃるかもしれません。
今回のお問い合わせの方の場合、海外からの呼び寄せのため、「日本人の配偶者等」、「定住者」のいずれかを申請することになりますが、同じ身分系で大きな違いがあります。「日本人の配偶者等」は日本人の子である事実は変わらないため、何歳になっても申請することができます。一方、「定住者」は未成年の実子で扶養を受けることが要件となります。(ちなみに「永住者の配偶者等」は出生時に永住者の子であったことは変わらないため、日本に引き続き在留しているのであれば、年齢に制限なく在留資格更新許可申請が認められます。) 上記のことを踏まえると「日本人の配偶者等」の申請が望ましいと考えられます。
身分系の在留資格は審査に期間を要する場合があります。入学先が決まっている、十分な学歴や職歴があり、日本での就労先が決まっているといった事情がある場合には、入学・就労開始に間に合うよう、「留学」や就労の在留資格を申請することをお勧めすることもあります。実際に身分系の在留資格に該当する方でも、ご本人のご希望により、活動に応じた在留資格をお持ちの方もいらっしゃいます。
・在留資格一覧表 https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/qaq5.html
・「家族滞在」の在留資格をもって在留し、本邦で高等学校卒業後に本邦での就労を希望する方へhttps://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00122.html