こんにちは。行政書士法人IMSの洪です。

先日の記事によりますと、日本の専門学校生について、「専攻科目と従事しようとする業務は相当程度の関連性が必要」とガイドラインで定めてきたが、今秋にもこれを改定し、文部科学省認定の専門学校に通う留学生は大卒者並みの運用となるようです。「大卒者並み」とは、大学で学んだ専攻と業務の関連性が柔軟に判断されるということですので、今後は、日本の専門学校を卒業した場合も、専門科目と職務内容との関連性が緩和され、就職の幅が広がることになります。

さて、今回は、短期滞在ビザで繰り返し入出国した場合の滞在できる期間について、説明いたします。

観光や親族訪問、商用、学会への参加、短期間の治療等の目的で90日以内の短期間の滞在に必要なのが短期滞在ビザです。ビザが必要な国の方は事前に在外日本大使館等でビザ申請をする必要があり、ビザなしで入国できる国の方は日本入国の際に短期滞在ビザが付与されます。一回に与えられる滞在期間は最長で90日になります。

ただ、最初の入国で90日間滞在してから出国した後、数日後にまた日本に入国することが考えられますが、3回、4回と複数回入出国することができるのかという問題があります。この問題について、まず言っておきたいのが「年間180日間ルール」というものです。こちらは法律上の規定ではありませんが、実務上のルールとして存在しているものです。つまり、短期滞在ビザでは、1年間に合計180日を超えての滞在できないということです。

1年間の定義としては、ある年の1月1日から12月31日までではなく、今回の日本からの出国予定日又は最後に日本から出国した日から遡って1年間ということになります。ですので、短期滞在ビザで頻繁に入出国する方は、こちらの180日間ルールに注意しなければなりません。ただ、こちらは実務上のルールのため、例えば、人道上等特別な事情が認められれば、入管側による個別の判断にはなりますが180日以上の滞在が認められる可能性があります。

「180日間ルール」がある理由としては、短期滞在ビザは、文字通り短期間日本に滞在するためのビザですので、年間180日間を超えて滞在したらそれが「短期」にあたるかという問題が出てきます。入管側では、短期間とは「生活や活動の基盤を日本に移す意思がなく、一時的な滞在であること」、つまり「生活の拠点が日本にないこと」と捉えているいます。従って、年間180日間を超えて滞在することになると、それはもはや短期間とは言えず、中長期滞在になるようであれば、それに似合う適切な在留資格の取得を検討する必要があります。

例えば、病気の治療目的で来日し、入院等当初から90日間を超えての滞在が予定される場合には、医療滞在のための「特定活動(6ヵ月又は1年)」というビザが用意されていますので、こちらを検討された方がよいでしょう。

今後、短期滞在ビザで入出国を繰り返しながら滞在予定の方は、180日間ルールについて、注意を払った方がよいでしょう。 日本ビザアメリカビザベトナムビザに関するご相談は、ぜひ弊社までお問い合わせください。