こんにちは。行政書士の髙田と申します。
今回は、コックのビザ、在留資格「技能」についてご説明させていただきます。
日本人の配偶者等の在留資格をお持ちの方が、本国の料理を提供するレストランを経営していました。しかし、年齢的に大変になってきたので、本国からコックさんを雇いたいとご相談にいらっしゃいました。では、新たにコックを海外から雇うには、どのようなことに留意すれば良いのでしょうか。(なお、コックとは、中国料理、フランス料理、インド料理、イタリア料理等の調理師や点心、パン、デザート等の食品を製造する調理師やパティシエ等のことです。)
新たにコックを雇う際には、まず、次の要件を満たしているか確認します。
① コック(調理師・料理人)として10年以上の実務経験があること。
10年の実務経験には、外国の教育機関で外国料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含むことができます。
※但し、タイ料理の場合は、次の要件を全て満たせば、5年の実務経験で申請可能です。
1)5年以上の実務経験を有し(タイ労働省が発行するタイ料理人としての技能水準に関する証明書を取得するための要件を満たすための教育機関において教育を受けた期間を含む。)
2)初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書の発行を受けている。
3)申請を行った日直前の1年間に、タイにおいてタイ料理人として妥当な報酬を受けている。
10年または5年の実務経験年数を立証するために、過去にコックとして勤務していた本国のレストランから在職証明書を取り寄せる必要があります。そのレストランが本国で登記や許可を得て営業を行っているレストランであるならば、それも一緒に提出するとよいでしょう。過去に働いていたレストランが、現在倒産していて在職証明書を取り寄せられない場合には、そのレストランで働いていた期間は立証することができません。
② 本国の料理を提供する専門のレストランであること。
申請の際には、レストランのメニューを提出します。熟練した技能を要する料理品目が、メニューの中に相当占めていなければなりません。
なお、本国の料理を提供するというのは、例えば、イタリア人の方が、インド料理のコックとして申請をしても認められません。イタリア人の方であれば、イタリア料理店でコックとして働くのでなければ、許可を得ることはできません。
③レストランとしての機能できる施設・設備を揃えていること。
見取り図やレストランの外観・内装の写真を提出しますので、レストランとして調理ができお客様を受け入れる体制がきちんと整っているかどうかを審査されます。
④レストランの規模とコックの数。
コックが複数人いる場合には、レストランの規模、顧客の数により、さらにコックを雇う必要性を立証しなければなりません。追加の書類として、シフト表などの提出を求められることがあります。
※なお、「技能」の在留資格で働くコックは、調理業務にしか従事することはできません。ホール等の単純労働をすることは認められていません。
⑤日本人が従事する場合に受ける報酬と同額以上の報酬。
他の就労ビザと同じように、調理師(コック)には、妥当な報酬が支払われなければいけません。
⑥レストランの経営状態が安定していること。
経営状態の安定性を審査するために、決算文書の提出が必要な場合があります。
以上、弊社では「技能」のビザの申請サポートを行っております。ご相談がある場合には、いつでもお問い合わせをお待ちしております。