こんにちは。行政書士法人IMSの洪です。
2023年6月9日に、入管法改正案が可決されました。2021年に一度廃案になったものとほぼ変わらない内容ですが、主な改正点は、①紛争避難民など、難民条約上の難民ではないものの、難民に準じて保護すべき外国人を「補完的保護対象者」として認定し保護する手続の創設、②在留特別許可の申請手続の創設、③難民認定制度の運用を一層適切なものにする、といった内容になります。もっと詳しく知りたい方は、こちらの入管庁のウェブサイトをご覧ください。
さて、今回は、日本に在留していた者が日本から一時出国している間に、海外にいながらの状態で在留資格の更新や変更申請手続きができるかどうかについて、ご説明いたします。
お客様からよくあるご相談ですが、結論から言いますと、海外にいながらの状態で在留資格の更新や変更申請は出来ません。窓口申請にしてもオンライン申請にしても、外国人本人が日本に滞在していないといけません。ここで強調しておきたいのは、必ず外国人本人の実物が日本国内にいないといけないということです。
お客様に「日本にいないと申請出来ません。」と伝えると、「いや、在留カードは持っていますので、、、」とおっしゃいますが、在留カードを持っているとしても、前述のように、必ず外国人本人の実物が日本国内にいないといけません。
また、在留資格の更新や変更申請を、例えば行政書士等に依頼しようとする場合でも、申請者本人(外国人本人)が日本国内に滞在していないと、私達行政書士であっても、入管へ申請書類を提出する(取り次ぐ)ことが出来ません。つまり、行政書士が申請を取り次ぐ場合でも、お客様の入管への出頭義務は免除(入管に直接行かなくてよい)されますが、行政書士が入管に申請を提出する時点に、お客様が日本に滞在していないといけません。
それでは、いつまでに日本に再入国して、申請をすればよいでしょうか。
■在留資格の更新申請の場合
更新申請については、在留期限の日までに申請が入管に受け付けられればよいですので、在留期限内に再入国して速やかに申請する必要があります。期限内に申請が受け付けられれば、期限の日から2か月の特例期間が付与され、その間は、日本滞在や活動が従前通りに出来ます。
もし、在留期限内に再入国ができず、そのまま期限が過ぎてしまいますと在留資格が失効しますので、その場合には、新たに「在留資格認定証明書交付申請(COE申請)」をする必要があります。
※「家族滞在」等の在留資格をお持ちの18歳未満の未成年者については、異なる取り扱いがありますので、ご相談ください。
【ご参考】
日本から一時出国するタイミングによりますが、在留期間の更新申請は在留期限の3か月前から入管に申請を提出することができ、また更新申請中であっても一時出国・再入国が可能ですので、出国前に在留期限を確認してください。
※パスポートと在留カードは入管が預かって保管するのではなく、申請が受け付けらますとその場で本人に返却されます。
■在留資格の変更申請の場合
在留資格の変更申請については、就労資格への変更や「留学」への変更等いろいろなケースが考えられるため、また例えば、「留学」から就労資格への変更や転職に伴う在留資格の変更等になりますと、実際に働くためには就労資格(新しい在留カード)を取得してからでないとなりませんので、一概には言えませんが、事案毎に検討する必要があります。
基本的な留意点としては、繰り返しになりますが、在留期限内に再入国ができず、そのまま期限が過ぎてしまいますと在留資格が失効しますので、その場合には、在留資格の変更に係る日本にある会社等を通じて、新たに「在留資格認定証明書交付申請(COE申請)」をする必要があります。ご判断が難しい場合には、弊社にご相談ください。
そして、「日本から一時出国して海外にいるが、海外でオンライン申請ができるのでは」というご相談をいただきますが、本人申請にしても行政書士等による取次申請にしても、上記の通り、入管への申請時に、申請人である外国人本人が日本に滞在していないといけない点には変わりがありません。
更新申請や変更申請等、各種ビザ申請については、是非弊社にお問い合わせください。