皆さまこんにちは、IMSの下山です。
今日は梅雨の晴れ間と言わんばかりの快晴ですね。
さて、皆さま今月は「共生社会の実現に向けた適正な外国人雇用推進月間」であることをご存知でしょうか。
こちらは今朝の品川駅コンコース。
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出入国在留管理庁では、これまで毎年6月に「不法就労外国人対策キャンペーン月間」を設けて、不法就労防止に向けた広報活動を行ってきましたが、今年度からは「共生社会の実現に向けた適正な外国人雇用推進月間」を設けることとし、次のような広報活動を実施しています。
(1)事業主に対する啓発活動
外国人を雇用している、又は雇用する予定がある事業主に対し、リーフレットを用いて、共生社会の実現に向けた適正な外国人雇用推進に係る啓発活動を行う。
また、在留手続や労働関係法令等に係る問い合わせ先の案内や、生活・就労ガイドブックや外国人生活支援ポータルサイト等、外国人の入国在留手続や労働関係等に係る情報を提供する。
(2)関係機関に対する協力依頼
事業主団体(中小企業団体、商工会議所等)、関係行政機関及び地方公共団体等に対して、不法就労防止に関する啓発活動を依頼する。
※キャンペーン活動詳細については下記リーフレットもご参照ください。
「共生社会の実現に向けた適正な外国人雇用推進月間」リーフレット
ここで、外国人の適正雇用についてみていきたいと思います。
警視庁ホームページによると、法務省統計で令和5年1月1日現在、日本国内に約7万人の不法残留者がおり、その多くが不法就労をしていると思われます。
不法就労となるパターンとしては以下の3つのパターンがあります。
①不法滞在者や被退去強制者が働く場合
・オーバーステイや、密入国した者が働くこと
・退去強制されることが決まっている人が働くこと
②出入国在留管理庁から働く許可を受けずに働く場合
・留学生、難民認定申請中の者が許可を得ないで働くこと
・観光等の短期滞在目的で入国した者が働くこと
③働く事が認められている外国人がその在留資格で認められた範囲を超えて働く場合
・調理人や、語学学校教師として認められた人が工場で単純労働をすること
・留学生が許可された労働時間を超えて働くこと
ここで注意しなければならないのは、不法就労者を雇用した事業主は不法就労助長の処罰対象になる、ということです。
⇒不法就労助長罪の罰則:3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその併科
※外国人の雇用時に、当該外国人が不法就労者であることを知らなくても、在留カードの確認をしていない等の過失がある場合は処罰の対象となります。又、その行為者を罰するだけではなく、その法人、雇用主等に対しても罰金刑が科せられます。
こうした事態を避けるためにも、外国人を雇用する事業主の義務として、下記が挙げられています。
■雇用前の身分確認
<一般業務>
出入国管理及び難民認定法 第73条の2
外国人を雇用する際は、在留カード、旅券(パスポート)の提示を求め、在留資格・期間、在留期限、資格外活動許可の有無等を確認するなどして、雇用することができる外国人であるかを確認してください。
罰則
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその併科
<風俗営業>
風俗営業の規則及び業務の適正化等に関する法律 第36条の2
接待飲食等の営業を営む風俗営業者等は、その業務に関し、客に接する業務に従事させようとする者の生年月日、国籍及び、日本国籍を有しない者については、在留資格、在留期間、資格外活動許可の有無等を確認し、確認の記録を作成・保存しなければなりません。
罰則
100万円以下の罰金
■外国人雇用状況の届出
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第28条
全ての事業主は、外国人労働者(在留資格「外交」及び「公用」並びに「特別永住者」を除く。)の雇用又は離職の際に、その外国人の氏名、在留資格、在留期間等について厚生労働大臣(ハローワーク)への届出が義務付けられています。
罰則
30万円以下の罰金
最後に、不法就労助長罪に問われないためにも、雇用予定の外国人の在留カードを確認する際のポイントをご紹介します。
①在留カードの有無を確認
・在留カードのコピーでは内容を改ざんされるおそれがあるので、身分確認の時は必ず、実物の在留カードで確認してください。
②在留カード表面の就労制限の有無欄を確認
・「就労制限なし」の場合、就労内容に制限はありません
・「就労不可」の場合、原則雇用はできませんが、在留カード裏面の資格外活動許可欄をご覧下さい。
・一部就労制限がある場合は制限内容をご覧下さい
③在留カード裏面の資格外活動許可欄を確認
在留カード表面の「就労制限の有無」欄に「就労不可」または「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載ある方であっても、裏面の「資格外活動許可欄」に記載された制限に基づき就労することができます。
・許可(原則週28時間以内・風俗営業の従事を除く)
・許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動) など
④在留カードを所持していなくても就労できる場合
「3月」以下の在留期間が付与された方等は旅券で就労できるかを確認してください。「留学」「研修」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」の在留資格を持って在留している方は資格外活動許可を受けていない限り就労できません。
⑤仮放免とは
仮放免とは、既に退去強制されることが決定した人や出入国管理および難民認定法違反の疑いで退去強制手続中の人が、本来であれば出入国在留管理庁の収容施設に収容されるべきところ、健康上の理由等により一時的に収容を解かれることです。
・仮放免は在留許可ではなく、基本的に就労はできません。
・仮放免許可書の裏側に「職業又は報酬を受ける活動に従事できない」と条件が付されている場合は就労できません。
・許可書に条件が付されていなければ在留カードを確認して就労できるか確認する必要があります。
「ルールを守って国際化」とはかつて入管から呼びかけられていたフレーズですが、
これを機に、皆さまも適正な外国人雇用について今一度考えてみてはいかがでしょうか。
外国人雇用についてご不明な点がありましたらいつでも弊社までご相談ください。