こんにちは。行政書士法人IMSの伊東です。

永住許可申請の要件として、原則、10年以上の在留を求められますが、申請人の方のそれぞれの背景により、在留を求められる期間が短縮されます。例えば、在留資格「定住者」の方の場合は同在留資格で5年間以上の在留、在留資格「日本人の配偶者等」で配偶者の方場合は、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き日本に1年以上に在留していること、実子の場合は、引き続き日本に1年以上に在留していることを求められます。なお、異なる在留資格でも日本人と結婚している、日本人の実子であるという場合には、こちらの要件に該当します。特例の中でも最短の在留期間で永住許可申請できる方は、高度専門職ポイント計算表で80ポイント以上を獲得している方で、来日から1年後に永住許可申請を行い、許可を得られる可能性があります。

高度専門職ポイントを用いた申請は、①高度専門職の在留資格を持っている方と②そのほかの在留資格で3年以上の在留期間で許可されている方が該当します。中には高度専門職をお持ちでないと申請できないと思われている方がいらっしゃいますが、他の在留資格からでもこちらの要件からの申請が可能です。ただし、在留期間が1年で許可されている場合には、高度専門職1号は許可されれば一律5年の在留期間が許可されますので、永住許可申請の要件を満たすために、高度専門職に変更し、その後に永住許可申請を検討することになります。

永住許可申請では、申請時に了解書の提出が必須とされます。こちらは審査期間中に申請時点と状況が変更した場合には速やかに連絡することを承諾する書類です。

https://www.moj.go.jp/isa/content/001355579.pdf

ポイント計算表を用いた要件で永住許可申請を行い、審査期間中に転職した場合、了解書の内容に書かれているように、入管に連絡することになりますが、転職後にも申請時のポイントを満たしていることを求められます。申請時に80ポイント、転職後に80ポイントを下回り、70ポイントとなり、かつ就労の活動での在留期間が3年に満たない場合には、永住許可申請の要件を満たさないため、残念ながら永住許可申請は不許可となることが想定されます。

一方で審査期間中に誕生日を迎え、ポイントが下がった場合はどうなるでしょうか。これまでの話しの流れから不許可となりそうですが、こちらの場合は出入国在留管理庁が申請時点のポイントで審査するとしていますので、引き続き審査が行われ、許可される可能性があります。弊社のお客様でも許可された方がいらっしゃいます。

高度専門職1号の方が転職する場合、パスポートに貼られる指定書に記載されている会社名を変更するために、在留資格変更許可申請を行い、許可を得た後に就労開始することができます。変更申請および結果引き取りのタイミングによっては、就労開始日を延期することとなり、そのために社会保険の未加入期間が生じる恐れが出てきます。在留資格「技術・人文知識・国際業務」等、高度専門職1号でない就労の在留資格をお持ちの方は、転職の度に在留資格変更許可申請を行う必要がないので、高度専門職1号の方がこちらのリスクを生ずる可能性が高くなると言えます。

いずれの場合にも、個別審査のため、一概に可否についての判断をできません。様々な諸事情を考慮し、審査が行われますが、安全な方法としては、やはり許可を得た後に転職をすることが望ましいと考えます。

弊社では、ポイント計算表を用いた永住許可申請を行うお客様からのご依頼がかなり多く、来日から1年で永住許可申請を行い、許可を得ている方もいらっしゃいます。高度専門職ポイントを用いた永住許可申請を検討されている方は、弊社にお問い合わせください。