こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。早いもので、今年も節分の時期ですね。スーパーで恵方巻を見かけて、初めて節分と気付きました。
さて、弊社では年明け以降、益々多くのアメリカビザのお問い合わせを多く頂戴しており、嬉しい悲鳴を上げております。本日は、最近のアメリカビザ面接の変化(主に東京の米国大使館)について、気付きの点をお伝えしたいと思います。
領事面接前のプレチェック
昨年ぐらいから、領事面接の前に日本人(と思われる)スタッフによる書類のプレチェックが入ることが多くなっております。質問を受けたら、(大抵は日本語で)回答すれば良いのですが、その際に追加資料を要求されることも稀にあります。そして、最近の傾向としては、このプレチェックの場で持参した多くの書類を返却されることが増えています。領事から求められたら出すようにと言われ、書類を返却され、領事からは特に何も求められず、そのまま持ち帰りましたというご申請者が多くなっています。こういうケースはほとんどビザ発給に問題がないケースが多いように感じられます。一方で、このプレチェックの場で特に書類を返却されない場合には領事からもかなり突っ込んだ質問がなされているように思われます。まるで、面接前に結果はほぼ決まっているような感じです。
ということであれば、問題ないケースなら、書類はほとんど用意しなくても良いのではないか?と思われるかもしれませんが、米国大使館ウェブサイトには未だ補足書類として、このカテゴリーのビザ申請ならば、こういった書類の持参を検討してくださいと記載されておりますので、弊社としては、たとえ結果的に持ち帰ることになっても、念のため、基本的な書類は持参すべきと考えております。また、追加で書類を求められることになった場合には、追加手続き扱いとなりますので、米国の移民国籍上、一旦、「却下扱い」となります。却下になるのは気分が良いものではないですし、結果的に許可になったとしても確実に発給は遅くなりますので、従前どおり一通りの書類は準備すべきでしょう。
ビザ申請書類の簡素化?
日本の入管へのビザ(在留資格)関係の申請では、だいぶ前より、書類の簡素化の動きがあり、申請書の内容を充実させ、申請の難易度によって求められる書類に差異を設けています。例えば、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請を行おうとする場合、就職先が上場企業の場合には、申請書以外に求められる書類はごくわずかです。逆に小さな企業や新規設立企業となると、会社関係の書類、申請者の書類ともぐんと増えて、申請準備も大変になります。
アメリカビザの場合、申請書はDS-160というオンライン申請書ですが、このDS-160は同じビザカテゴリーであっても、申請者の年齢、性別、婚姻状況等々によって、入力すべき内容が異なります。また、SNSの申告等、年々少しずつ求められる内容が増えています。特に、Eビザ(貿易・投資ビザ)のDS-160については、数年前より入力項目が大幅に増加し、例えばBビザ(観光・短期商用ビザ)に比べると倍以上の労力が掛かるようになりました。
つい最近のアメリカ大使館ビザ課のTwitterでは、Eビザ申請時に求められるフォーマット(DS-156E)において、“See Attached” のような記載は不可、全ての項目について、欄内に記載するようにと発信されていました。
これらの動きを鑑みますと、日本の入管のように、アメリカビザ申請書類も極力、オンライン申請書DS-160及び面接を重視する方向にシフトしているのではないかと思われます。
アメリカが保有する情報網
アメリカ政府あるいは領事がアクセスできる情報は膨大なようです。指紋情報については、以前のブログでご紹介したとおりですが、その他にもSNSその他の情報網により、申請者もびっくりの過去の事実を面接時に指摘されることが増えています。過去に米国に滞在歴がある方、親族がいらっしゃる方、不動産を所有している方、法人を持っている方などは要注意です。米国で撮影した昔の写真をいきなり提示された方、米国の法人に関する記事を見せられて詰問された方もいらっしゃいます(これらはご申請者が持参した書類ではありません。)。また、過去5年間に保有したことのあるSNSのアカウントについては、DS-160の中で申告することになっておりますが、しばしば「全てのSNSを申告しなくても良いでしょうか?」とお客様より聞かれます。弊社では正直に全てのアカウントを申告してくださいとお伝えしております。なぜなら、たとえ隠したとしても、領事にはバレてしまうからです(実際に、DS-160で申告しなかったにも関わらず、面接時にSNSのアカウントについて指摘されたご申請者がいらっしゃいました。)。とにかく、あらやる情報をアメリカ領事は把握していると思って面接に臨まれることをお勧めいたします。
このように最近になって、少しずつですが、面接の様子に変化を感じられるようになりました。弊社では毎日のように面接に臨まれるお客様がいらっしゃるため、各ご申請者より面接時の様子を教えていただき、情報を蓄積しております。そして、そのような情報を次のご申請者の面接に活かすようにしています。多くのお客様が快く、面接時の様子をお知らせいただき、中にはとても詳細な面接レポートをくださる方もいらっしゃり、大変感謝しています。
アメリカビザ申請をお考えの方は、ぜひ経験豊富な弊社サービスのご利用をご検討ください。