帰化申請の問い合わせ

こんにちは。行政書士法人IMSの伊東です。

徐々に水際措置が簡易な手続きに向かっており、入国上限者数も増加してきています。世の中の動きが活発になってきたためか就労の在留資格での在留資格認定証明書交付申請のご依頼やお問い合わせが増えているように思います。特に最近は国内外を問わず、在留資格「経営・管理」のお問い合わせが増えている印象です。

お問い合わせの中には帰化許可申請を希望される方もいらっしゃいます。お電話でお問い合わせいただく際には、「帰化したい」よりも「日本のパスポートが欲しい」と言われることが多いように思います。慣れないと頭の中に「?」が浮かびますが、同じような問い合わせが繰り返されると自動的に頭の中が「日本のパスポートが欲しい=帰化」となります。

帰化申請の要件

帰化許可申請は永住許可申請と比較されることが多く、許可要件に重複する箇所が多々あります。帰化許可申請には、「普通帰化」、「簡易帰化」、「大帰化」がありますが、一般的に就労の在留資格の方は「普通帰化」に該当することが多く、居住要件が「5年」以上必要になります。永住許可申請では、就労の在留資格の方で高度専門職ポイントを利用しない場合には、居住要件が「10年」以上のため、帰化の方が早く申請ができます。

帰化許可申請と永住許可申請の違い

帰化許可申請と永住許可申請の大きな違いは日本語能力を求められるか否かという点です。永住許可申請のお問い合わせで、時々、日本語能力を心配される方がいらっしゃいますが、永住許可申請は日本語能力が求められません。一方で帰化許可申請は日本人になるため、当然のことながら日本語能力を求められます。話す聞く能力だけではなく、読み書きの能力も求められ、レベルとしては日本語能力認定試験N2~N3と言われています。初回面談で法務局の担当者にこれまでの経緯をいろいろと質問され、日本語レベルの確認が必要と判断された場合には日本語の試験が行われます。平仮名を漢字に直す、日本語で書かれた設問に日本語で自分の意見を述べる、日本の文化を説明する、といった内容です。日本語レベルの判断は各法務局や担当者によって異なる場合もありますが、カタカナで書くべきところに平仮名が混じっている場合や「助詞(てにおは)」が正しく使用できていない場合にはその点を指摘されます。歴史や文化について深いところまでの知識を求められる試験はありませんので、他の国の帰化よりも厳しくないという見方もあるかもしれません。

日本のパスポートは最強と言われることもあり、現在は192の国・地域へビザを取得することなく渡航できます(コロナの事情を除きます)。なお、日本国籍を取得したからといって以前の国籍であった頃の出来事がなくなるといったことはありません。例えば日本国籍になる前にアメリカビザを申請して却下歴がある場合には、ビザなしでESTAを使用し、渡米することができませんので、観光や出張の場合にはB1/B2ビザを取得する必要があります。