こんにちは。行政書士法人IMSの洪です。

厚労省が公表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめによりますと、2025年10月末時点で、外国人労働者数は 2,571,037 人、外国人を雇用する事業所数は 371,215 所であり、2024年10月末時点(2,302,587 人、342,087 所)に 比べ268,450 人、29,128 所増加しているとのことです。今後、人口減少や労働力不足はますます深刻化し、それに伴う外国人雇用は更に増え続けて行くでしょう。

※「外国人雇用状況」の届出状況まとめは、こちら

日本人であれ外国人であれ優秀な人材は、国籍や文化の壁を越えて、企業や社会にイノベーションをもたらす存在であると言えるし、国籍を問わず優秀な人材を確保することは、企業成長のための不可欠な要素と言えます。

今回は、「高度専門職1号」ビザを保有し日本に在留している外国人材を雇用する際と雇用後における注意点等について、解説いたします。

「高度専門職」ビザとは

2015年4月1日の入管法改正により創設された就労ビザの一種で、高度の専門的な能力を有する外国人材の受入れを促進するため,「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」として導入されました。 ポイント制では、「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つの活動類型を設定し、それぞれの特性に応じて、学歴や職歴、年収などの項目ごとにポイントが設けられています。ポイントの合計が、70点以上に達した方には、出入国管理上の優遇措置が実施されています。同制度施行から10年以上経ちますが、2025年末現在における「高度専門職」で在留している外国人は32,953人となっています。

詳しくは、以下入管庁公式サイトをご覧ください。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/newimmiact_3_index.html

就労ビザで働いている外国人の方も、転職することは可能ですか?

技人国ビザや高度専門職ビザで働いている外国人の方でも、日本人と同じように転職をすることが出来ますので、採用方法は通常日本人を採用するのと変わりありません。しかし、転職自体には問題がないのですが、持っている就労ビザの種類(在留資格)によっては法令上の制限があります。

また、就労ビザは、活動場所(活動機関:大学、企業、研究所等)、活動内容(具体的な仕事内容)に応じて類型化されており、働く場所や仕事内容によって就労活動が制限されます。つまり、就労ビザだからといってどんな場所でもどんな仕事にでも従事することが出来ないということです。

「高度専門職1号」ビザで在留している外国人材を雇用する時と雇用後には、どのような点に注意が必要ですか?

「高度専門職1号」ビザには、優遇措置があったり、在留期間が一律に「5年」で許可されるなど他の就労ビザに比べてメリットが大きいのですが、転職に際しては「高度専門職1号」ビザならではのデメリットやいくつか注意点があります。

転職による中途採用の場合、入社前に必ず在留資格変更許可申請を行う

「高度専門職1号」ビザは、所属機関(契約機関)に紐付いて許可され「指定書」をもって所属機関が指定されます。ですので、転職して入社前には必ず在留資格変更許可申請を行い、「指定書」の書き換えが必要になります。新たな許可を得てから勤務が可能です。これは、制度の性質上このような取り扱いとなっていますが、注意が必要です。

採用(入社)日はすでに決まっていますが、変更申請はどのタイミングで入管に提出すればよいですか?

おおむね入社日の3ヶ月前から余裕をもって変更申請を行ってください。前職を退職する前からでも入管に変更申請を提出することが可能です。

また、申請後、入社前に申請結果の通知書が届いた場合には、前職の退職日から入社前日の間に結果(新しい在留カード)を引き取るよう調整が必要です。前職を退職する前に結果を引き取ってしまいますと前職で働けなくなりますので、こちらも注意する必要があります。

変更申請を行わずに前職の会社で取得した「高度専門職1号」ビザのままで入社して働いてしまっている場合

外国人本人も会社側も、変更申請の必要性を知らない場合が多く、就労ビザを持っているからそのまま採用して働いているケースが少なくありませんが、これは制度の規定からすると違法状態であり、次の在留申請に影響を与える場合もあります。

この場合、まずは前職の離脱に関する届出を行い、速やかに変更申請を行う必要があります。申請の際は、理由書等補足資料をつけた方がよいでしょう。

採用後、会社がオフィスを移転(住所も変更)しました。この場合、何か手続きが必要ですか?

この場合は、「高度専門職1号」ビザを問わず就労ビザで働いている外国人には入管への届出義務が課されていますので、当該事由が発生してから14日以内に入管へ、所属(活動)機関に関する届出をしなければなりません。こちらの手続きを怠った場合や虚偽の届出をした場所は罰則規定が設けられています。また今後の各種在留申請にも影響が出るおそれがあります。

採用後、グループ会社への移籍があり、採用当初とは異なる会社(法人)に移ることになりましたが、何か必要な手続きはありますか?

同じ会社内での部署の移動とは違い、グループ会社と言っても異なる法人への移籍になりますと転職とみなされますので、「高度専門職1号」ビザをお持ちですから、予め「指定書」の書き換え(在留資格の変更)手続きを行い新たな許可を得る必要があります。

以上、「高度専門職1号」ビザについて、解説いたしました。メリットがある一方、上記のようにデメリットがあったり、注意が必要なところがありますので、制度に関する理解も必要です。また採用時には本人のパスポートに添付されている「指定書」等を確認することが大事です。外国人材の採用時や採用後の就労ビザ申請等について、お悩みがありましたら是非弊社にご相談ください。

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