こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。

開催が疑問視されているオリンピック・パラリンピックですが、無観客の競技を増やすことで無理にでも開催されそうな雰囲気です。しかしながら、東京都の感染者数は緊急事態宣言解除後、確実に上昇しており、また、来日する選手や関係者の中にも陽性者が散見され、不安しかありません。

恐らく、オリンピック・パラリンピックの開催、そして、感染者数の増加を受けて、米国ビザの面接は再び予約を取るのが難しい状況となっております。そんな中でも最近、多くお問い合わせをいただいているのが、米国現地にて装置や機械のインストール、メンテナンス等を行うために技術者を米国の客先へ短期的に派遣したいというケースです。もちろん、H、L、Eビザ等の就労ビザであれば、米国にて就労活動を行うことは何ら問題ありませんが、こういった就労ビザは原則的には現地法人に雇用されるケースが該当します。このケースは、あくまで短期的な米国での活動であるため、一定条件に該当すれば、特別にB-1ビザでの渡米が認められています。本来、B-1ビザは会議や交渉等短期商用のためのビザであり、就労活動を伴うような活動はできませんが、機械や装置を製造した会社がインストールやメンテナンスを行うという商慣習上、特別に認められているものと言えます。技術者派遣に関する条件は下記のとおりです。

技術者派遣のアメリカBビザ申請

  1. 技術者が、日本の企業で販売されている商工業用機械・機器の設置、サービス、または修理等を行う目的、設置や修理のために米国人の研修を行う目的で渡米予定である。
  2. 上記1について、売買契約書に明記されている。
  3. 技術者はこれらのサービス提供に必要な専門知識を有し、米国を源泉とする報酬を受けない。
  4. 企業はこれらのサービス提供に対し当初の売買契約書に定められたもの以外の支払いを受けることはできない。
  5. 建築や建設業務には該当しない。

上記のうち、最も重要な点が「売買契約書に技術者派遣について明記されている」ことです。この条件が欠けている場合には、就労ビザを取得しなければなりません。また、条件を満たす場合には、ESTAでも渡米可能ですが、やはり、実作業を伴うため入国審査時にきちんと説明できずに入国拒否となってしまうケースも散見され、IMSでは事前のB-1ビザの取得を強くお勧めしています。また、ESTAの最大滞在期間は90日ですが、B-1ビザの場合には180日なので、スケジュールが見えにくい作業等の場合には、特にB-1ビザをご取得されて、渡米されることを推奨いたします。ESTAでは現地での滞在期間の延長は一切できません。

コロナ禍において、Bビザの面接予約は公式には再開されておりませんが、渡米の緊急性が認められれば、緊急ビザ面接予約のリクエストを行うことで、面接が受けられる可能性もあります。一連の手続きは、なかなか厄介ですので、ぜひIMSまでご相談ください。