こんにちは。行政書士法人IMSの洪です。

2025年6月末における在留外国人数は395万6619人で過去最多を記録しました。その中で一番多いのが「永住者(932,090人、全体の23.6%)」、次に多いのが技人国ビザ(技術・人文知識・国際業務)を保有している方が458,109人で全体の11.6%を占めています。

技人国ビザは、ホワイトカラー向けの最も一般的な就労ビザで、業種と関係なく幅広い分野で活躍していただけるものになります。とはいっても、就労ビザだからといって日本人同等にどんな職種にも従事することが出来るものではありませんので、外国人材の採用に際しては必ず注意が必要です。

技人国ビザは、就労ビザではありますが、法令により活動内容(業務内容・仕事内容・職務内容)に制限があり、従事してはいけない活動、認められていない(禁止)活動、予め「資格外活動許可」を取得すれば出来る活動があります。せっかく外国人材に内定を出したものの、業務内容によっては技人国ビザの取得が出来なくなったり、更新申請が不許可になったりするリスクがありますので、外国人採用に当たっては就労ビザに対する正しい認識と知識を持って採用活動を行う必要があると考えます。

技人国ビザの定義

日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動

◆技術とは、 自然科学分野の技術や知識を要する業務。
◆人文知識とは、人文科学分野の知識を要する業務。
◆国際業務とは、外国文化に基づく思考や感受性を必要とする業務。

該当例としては、機械工学等の技術者、通訳・翻訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等がありますが、業務内容は多岐にわたりますので、技人国ビザに該当するかどうかはそれぞれの具体的業務内容によって検討と判断が必要になります。

簡単にまとめますと、専門的、技術的な素養を必要とする業務に従事する外国人が対象になります。ですから、飲食店での接客・調理業務、小売店舗での販売業務、建設現場での工事作業、ホテルでのレストランサービス、工場でのライン作業や組立作業等は単純作業とみなされることから技人国ビザで従事することは出来ません。また、専ら研究を目的としない一般企業であっても、実験や分析、評価等基礎的・創造的な研究開発をする場合は、技人国ビザではなく「研究」という就労ビザに該当しますので、留意する必要があります。

就労ビザの基本的な考え方

基本的な考え方としては、まず、「●●業務」で外国人材を採用したい場合、その「●●業務」に該当する就労ビザがあるか(在留資格の該当性)の確認が必要になります。次に確認すべきは、「基準適合性」です。これは、該当する在留資格があったとしても、その申請者が実際にその資格を取得するために必要な条件を満たしているかどうかを判断するものです。詳しい説明には話が長くなりますが、弊社では事前診断(申請可否の判断等)サービスもありますので、お悩みの場合はぜひ弊社にご相談ください。

Q&A:就労ビザの種別の選択

以下、いくつかのケースバイケースを例に、該当する就労ビザの種類について、Q&A形式にて検証してみたいと思います。

Q:飲食店で、接客や調理等レストランサービスの提供の業務を行う場合は、どんなビザが必要ですか?

A:この場合は、特定技能ビザと特定活動46号ビザが該当します。しかし、申請上求められる申請人側の要件がそれぞれ異なりますので、採用前に申請要件について確認が必要です。

Q:技人国ビザを持って、建設現場で配線等電気工事を行うことは出来ますか?

A:技人国ビザで電気工事に従事することは出来ませんので、特定技能ビザの取得を検討してください。なお、施工管理業務であれば、技人国ビザに該当します。また建築設計、設計監理、建築積算業務も技人国ビザに該当します。

Q:外国人は、ホテルのフロント業務が出来ますか?

A:チェックイン/アウト、周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配等ホテルのフロント業務に従事することが可能です。この場合、技人国ビザと特定技能ビザが考えられますが、接客業務やレストランサービスへの従事有無によりどちらの就労ビザに該当するか検討することになります。

Q:一般企業で、メニュ開発や商品開発を行う場合は、技人国ビザの申請は可能ですか?

A:はい。こちらの業務内容であれば、技人国ビザの申請は可能です。

Q:研究機関ではない一般企業で、実験研究や分析、実験の評価等の研究開発業務を行う場合は、技人国ビザでも問題ないですか?

A:専ら研究を目的とする機関でなくても、業務の遂行のための基礎的・創造的な研究を行う場合は、技人国ビザに該当せず、「研究」という就労ビザに該当します。

Q:保育士・幼稚園教諭として、外国人を採用したのですが、該当就労ビザはありますか?

A:現行法上、こちらに該当する就労ビザはありません。例えば、保育園や幼稚園において語学指導や翻訳・通訳業務に従事する場合は、技人国ビザに該当する場合があります。

Q:小売店で販売業務を行う場合は、どのような就労ビザがありますか?

A:専ら販売業務ができる就労ビザはありませんが、仕入れ、商品企画や、通訳を兼ねた接客販売業務であれば、特定活動46号ビザの申請が可能です。

業種や稼働先等により業務内容は様々ですので、就労ビザの申請が可能か、どのような就労ビザに該当するかは、従事させようとする業務内容や申請人の学歴、日本語能力等総合的な観点から判断する必要がありますので、お困りの場合はぜひ弊社にご相談ください。

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