こんにちは。行政書士法人IMSの竹内です。
2025年ももうすぐ終わりますが、日本の特定産業の労働力不足はいまだに解決されていない状況です。今回は特定産業を支えている制度「技能実習」、「育成就労」、「特定技能」についてお話させていただきます。

【技能自習と育成就労の異なるポイントは?】
「技能自習制度」
技能実習制度は開発途上国等の外国人を受け入れ、日本の最先端な技術や知識を学んでもらい、外国人がそれを母国に持ち帰り、習得した技術や経験などを活用し自国の経済的発展に寄与することが制度趣旨とされています。ゆえに外国人が母国に帰ることが前提の制度ですが、次の要件を満たしていれば在留資格「特定技能」への移行も可能です。
・技能自習2号を良好に修了している
・現在の職種が特定技能分野と関連性がある

実際に上記要件を満たし、「特定技能」外国人として就労されている方も多く見受けられます。

「育成就労制度」
育成就労制度は上記「技能実習」に代わる制度として2027年4月1日より施行予定となっています。「技能実習」が外国人に日本の技術などを伝え、外国人の本国で活用してもらいたいという国際的な貢献が主目的になっていますが、育成就労では人材の育成および確保が主目的になっており、3年間しっかりと特定技能と同じ分野で技術や知識を育み、将来的には在留資格「特定技能」にスムーズに移行できるような制度になっていることが特徴です。
また、賃金も「日本人と同等以上」、技能実習では認められていなかった「転籍」も可能となっており、外国人にとって働きやすい環境へと変更されています。

【特定技能制度とは?】
特定技能制度とは日本国内の人手不足が課題となっている16分野の特定産業分野にて一定の専門性かつ即戦力となる外国人を採用、人手不足を解消し当該分野の経済的成長の維持ならびに促進に努める制度です。そのため外国人は「特定技能評価試験」という技能試験を受験し合格する必要があり(※1)、日本語能力も日本語能力試験ではN 4レベル(※2)が要求されます。
(※1) 技能実習2号を良好に修了していれば免除。
(※2) 「基本的な日本語を理解することができる」概ね小学校中学年~高学年程度。

現段階では16分野が対象になっていますが、2027年には新たに「リネンサプライ」、「廃棄物処分業」、「物流倉庫」の3分野が追加される予定であり、今まで以上に幅広い分野での活躍が期待されています。

【特定技能1号⇒特定技能2号へ】
在留資格「特定技能1号」では日本在留期間は最長5年間であり、その後は帰国するか他の在留資格への変更が必要となりますが、「特定技能2号」に変更できれば一般的な就労資格と同じように在留期間の更新に制限を設けることなく更新許可申請を行うことが可能となり、滞在歴も永住権の「引き続き日本に滞在する年数」に算入することも可能です。以前は「特定技能2号」の許可率は非常に厳しいものでしたが、
昨今では分野によって異なりますが、徐々増えてきている傾向が見受けられます。

【特定技能の雇用に関する原則と例外とは?】
特定技能制度において受入企業・団体は外国人を原則直接雇用する必要があり、その他の雇用形態は認められていません。しかし、「農業」と「漁業」の分野のみ例外的に「派遣」での就労形態が認められています。当該分野は就労において通年安定性が見込める分野とは言い難く、繁農期や閑散期が明確な分野ですので例外的に上記就労形態が認められています。この柔軟な制度によって外国人は一年を通して就労場所を移動しながら、日本に在留することも可能となります。

今回は現在も、そして将来的にも労働力不足解消への期待が見込まれる種々制度と在留資格についてお話させていただきました。
今後、特定技能にて雇用をお考えの企業様はお気軽にお問い合わせていただければ幸甚です。

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