こんにちは。行政書士法人IMSの稲田です。2025年の訪日外国人観光客数は、過去最高の勢いで増加しているようですが、観光目的以外で来日する方もこのところ増えているのではないでしょうか。国籍(地域)によっては、90日以内の滞在で、報酬を得る活動を行わない場合は、査証(ビザ)なしで来日できる場合もあり、在留資格は「短期滞在」となります。短期滞在ビザは、観光ビザと呼ばれることもありますが、「短期滞在」の渡航目的は「観光」に限られるものではありません。「親族・知人訪問」「短期商用等」の目的で来日する場合も、在留資格は「短期滞在」となります。

査証申請が必要な場合、渡航目的によって必要書類が異なり、また、渡航目的が同じでも国籍(地域)によって必要書類が異なる場合があり、なかなか分かり難いのが、短期滞在ビザの申請なのですが、今回は「短期商用等」で外国人の方を日本に呼ぶ場合について、少し解説しておきたいと思います。

ビザ申請が不要な場合もある

先ず、「短期商用等」の内容ですが、会議出席、業務連絡、商談、宣伝、アフターサービス、市場調査等、文化交流、スポーツ交流等が含まれ、いわゆる商用の他幅広い目的が含まれます。目的が、「短期商用等」で良いことが確認できたら、ビザの申請人となる外国人の方の国籍を確認します。ビザ免除国・地域の方であれば、基本的にはビザ申請は必要ありませんが、国によっては、ビザ免除となる滞在期間が90日未満の場合もありますので、一覧表で(注)が付いている場合は注釈も確認してください。

ビザ免除国・地域(短期滞在):ビザ免除国・地域(短期滞在)|外務省

ビザ申請に必要書類は申請人の国籍によって異なる

ビザ免除国・地域でない場合は、次の6種類の国・地域の中から該当するページでビザ申請に必要な提出書類が確認できます。

該当する国の数としては、一番最後の「その他」が多いと思います。なお、CIS諸国とは、バルト三国を除く旧ソビエト連邦構成国が設立した「独立国家共同体」加盟国のことです。申請書類の書式は共通ですが、提出書類については、少しずつ異なっておりますので、必ず該当のページで確認することが必要です。

短期滞在ビザの提出書類が国によって異なる理由は、各国の事情や外交関係の違い、また、日本の在外公館(大使館や領事館)が、それぞれの管轄区域の事情やリスク評価に基づいて、審査基準を調整することがあるため、とされています。

「短期商用等」では個人ではなく機関が招聘するのが原則

「短期商用等」においては、外国人を招聘するのは原則として個人ではなく機関(法人、団体、国又は地方公共団体等)です。日本の企業が招聘機関となる場合、然るべき管理職の方(取締役、部長、工場長)が招聘人・身元保証人になることができます。一方で、大学が交流を目的として教授名により招聘する場合には、在職証明書を提出することにより招聘機関として認められます。勿論、原則通り、大学が機関として招聘することも可能です。

なお、提出書類には、「ビザ申請人が準備するもの」と「日本側で準備するもの」がありますが、ビザ申請を行うのは海外にいる申請人本人ですので、日本側(招聘機関等)で準備した書類は、メールや郵便で申請人に送ることになります。

申請方法も国によって様々

ビザ申請の方法も国によって異なり、オンライン申請が可能な国もあれば、在外公館へ出向くことが必要な国もあります。また、在外公館ではなく在外公館が指定する査証代理申請機関のみで申請を受け付けている場合や、予約の要/不要も様々ですので、短期滞在ビザを申請する際には、必ず申請する国の日本大使館や領事館のウェブサイトで最新の情報を確認して準備することをお勧めいたします。

参考: ビザ(査証)|外務省

在外公館長及び在外公館ホームページ|外務省

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