こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
毎朝、「今日も危険な暑さです。」という天気予報を見るたびにうんざりしておりますが、暑さに負けないよう頑張っていきたいと思います。

郵送申請条件の厳格化

多くの国のビザ申請で本人確認を強化し、偽造やなりすましを防ぐため、指紋採取や写真撮影等のバイオメトリクス(生体認証)が行われており、アメリカも例外ではありません。アメリカの場合には、それに留まらず、外交や公用といったごく一部の特殊なビザを除くほぼ全ての非移民ビザ申請において、領事との「面接」が原則必要となります。コロナ禍において、面接免除となる「郵送申請」の条件がかなり緩和されましたが、それも少しずつ、元に戻りつつあります。現在は同一カテゴリーの更新申請であり、一定の条件を満たせば、幅広いビザの種類において、郵送(面接免除)申請が認められております。しかしながら、2025年9月2日から郵送申請の条件が大幅に変更される旨、先日、大使館よりアナウンスがありました。日本人で郵送申請が可能なのは、外交や公用等を除けば、下記の全ての条件を満たす場合のみとなります。


・Bビザ(B-1、B-2 、B1/B2)の更新
・前回申請時に18歳以上
・前ビザの有効期限から12か月以内
・前ビザの有効期間が10年
・ビザ却下歴なし
・日本あるいは居住地での申請

また、これまで面接が免除されていた14歳未満のお子さん、80歳以上の方の面接も必須と
なります。この変更により、赤ちゃんでも大使館(領事館)に連れていかなければならなく
なり、駐在員のご家族には大きな負担になります。

面接に必要な英語力

郵送申請の一番の利点はもちろん面接を回避できることです。しかしながら、上記のとおりその条件が間もなく、厳格化され、ほぼ全ての非移民ビザ申請者は面接必須となります。領事との面接となった場合、一番の心配は「英語」ではないでしょうか。弊社にも、「英語が苦手ですが、面接は大丈夫でしょうか」といったお問い合わせが多く入ります。ビザの種類によっては英語力が求められるものもあります。しかしながら、多くの非移民ビザ申請においては高度な英語力が必要なわけではありませんので、ご安心ください。それでは、どのようなビザで一定の英語力が求められるのでしょうか。

Jビザ:Jビザ申請のためには、必ずアメリカのスポンサー団体からDS-2019という適格証明書を発行してもらう必要があります。その適格証明書の発行条件に一定の条件が定められています。スポンサー団体により異なりますが、英語力に関しては概ねTOEICであれば、600-700点程度が必要になるケースが多いようです。Jビザは、「交流訪問ビザ」と呼ばれるものですので、英語でのコミュニケーション能力が必要なのです。

Fビザ:Fビザは語学学校への留学から大学や大学院で学位取得を目指す留学等様々です。Fビザ申請のためには必ず、I-20という留学先の学校から発行される書類が必要です。I-20中には、英語の流暢さ(English Proficiency)という項目があり、申請者がどのくらいの英語力を有しているかが記載されています。

したがって、JビザやFビザの申請者(ただし、Fビザ申請者のうち、I-20において”English Proficiency is not required”と記載されている場合は除く。)については、領事はある程度の英語力はあるという前提で面接しますので、英語で質問されてもきちんと答えられるよう準備しておく必要があります。

その他のB(短期商用/観光)ビザ、E(貿易・投資)ビザ、L(企業内転勤)ビザ、O(アーティスト)ビザ申請等において、英語力は必須ではありません。それよりも、日本語でも構わないので、きちんと領事からの質問に回答できることのほうが重要です。

日本語で面接できる?

領事は外交官なので、日本に着任される前に必ず「日本語」の研修を受けていらっしゃいます。国務省サイトに英語のネイティブスピーカーが日本語を学習するのに要する時間数について、記載されています。英語との言語的な距離感を鑑みて、言語は4つのカテゴリーに分けられています。カテゴリー1の最も英語と近い言語(オランダ語、イタリア語、フランス語、スペイン語等)の場合、学習時間は24-30週 (552-690 class hours)と記載されています。一方、日本語はカテゴリー4の“Super-hard languages” と規定され、88 週 (2200 class hours)とされています。日本人が英語を学ぶのに苦労するのも頷けますね。ちなみにスーパーハードと分類されているのは、日本語以外ではアラビア語、韓国語、中国語です。やはり、文字が文字が難解なのかもしれません。

というわけで、領事はかなりの日本語の勉強をなさって、日本に着任されていらっしゃいますので、特に日本に長く滞在されている領事ですと、とても流暢な日本語でお話してくださいます。ものすごく緊張して面接に行ったのに、日本語で簡単な質問で終わって拍子抜けしたとおっしゃる方もおられます。一方で、全て英語で話されて良く分からないうちに面接が終わってしまったというお問い合わせをいただくこともあります。残念ながら、申請者側から日本語ができる領事との面接をお願いしますとリクエストを出すことはできません。

弊社ではどのような領事にあたっても、何とか面接を切り抜けられるよう万全を期して、準備をしております。IMSでは書類の準備~面接対策まで皆様のアメリカビザ申請をサポートしておりますので、お困りの方も心配な方もお気軽にお問い合わせください。

なお、本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。

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