こんにちは。行政書士法人IMSの竹内です。

先日、日本に在留する外国人の数が過去最多を記録したと出入国在留管理庁より発表されました。昨今は、会社に出社する方、リモートによる在宅勤務を選択される方など様々な働き方が日本社会に浸透してきました。同じように会社との「契約形態」もここ数年の間で変化が見受けられるものと思います。今回は就労資格として多くの外国人が保有する在留資格「技術・人文知識・国際業務」の契約形態についてお話しさせていただきます。

さて、変化が見受けられると言っても在留資格「技術・人文知識・国際業務」の一般的な契約形態はこちらの会社と直接雇用契約を結ぶ「雇用」でのかたちがもっとも多いのではないでしょうか。「期間の定めがある」、または「期間の定めがない」、「正社員」や「契約社員」の違いはあるものの、その会社によって雇用され「社員」として所属し、毎月のお給料も保証されれば賞与も支給される…いわゆる「会社員」という立場です。在留資格更新や変更許可申請時には会社発行の「在職証明書」を提出するというパターンです。

では、会社に雇用されていない業務委託(フリーランス)という働き方では、この「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は取得できないのでしょうか。

出入国在留管理庁の出入国管理及び難民認定法(別表第一の二)を確認すると「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う~活動」となっており、契約形態には特段言及していないことがわかります。ですので、申請書の契約の形態には「雇用」だけでなく、「委任」、「請負」、「その他」と各種用意されており、契約形態は違っても「技術・人文知識・国際業務」の要件((海外や日本の大学等を卒業している等の「基準省令」)を満たしていれば当在留資格を取得することは可能です。

ただ、上記のような申請では契約形態が「雇用」ではないので、会社からの在職証明書は発行されませんので業務委託の依頼を受けた会社との契約書等を入管へ提出することになります。業務委託契約においては一社ではなく、複数の会社と契約している場合でも特段問題はありませんが、委託を受けている会社との契約期間が十分に確保されている(期間の定めがある場合なら、契約書に「更新」の有無などが明記されているか)、一時的に入ってくる単発・短期的な業務だけの収入に頼るのではなく、毎月安定した収入がもたらされることになっている(そのような契約がしっかりと書面にて取り交わされている)など、中長期在留者として日本で働いて暮らしていくうえで継続的かつ安定的な仕事(生活できうるお給料などの金銭面等)の保障も要求されます。

会社に雇用されている「会社員」と比較して、この継続性と安定性の面でより厳しく審査されることを思料すれば、申請時には懸念事項を払拭するために相応の疎明資料の提出が求められ、時間がかかることもあるという事実は当然のことではないかと思えます。

因みに数多くの業務を受注して、自分一人では業務遂行できなくなった結果、誰か他の人間を雇用したり、自分の会社を設立して事業経営を行う(=経営者として活動する)場合は、今までの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で活動することはできず、「経営・管理」の在留資格へと変更する必要があります。何よりこの二つ在留資格は活動内容そのものが異なりますので、「経営・管理」取得後は今までのように委託先から業務を受任して「技術・人文知識・国際業務」としての活動を続けることは認められません。

まだまだ、全体の中では数としては少ないのかもしれませんが、どこかに所属するのではなく自分自身で委託先と契約を締結し収入を得ていくという働き方のスタイルは今後、なお一層、増えていくのかもしれません。転職等により契約形態が変更になり、不安を抱かれているなどの場合は、お気軽に弊社にお問い合わせいただければ幸いでございます。

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