こんにちは。行政書士法人IMSの竹内です。
入管のお手続きには常に数字がついてまわります。本日は入管手続きにおける「数字から見えてくる可能性」に関してお話しをさせていただきます。
弊社でも年間を通して、数多くの在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請などを承っております。更新申請の場合は在留期限の3か月前から入管へ申請することが可能(在留資格変更の場合は変更が生じた際に適宜)ですので、どの申請も準備期間を含めて余裕をもって早目に申請することをおすすめしております。
しかし、稀に在留期限が切迫した状態までお手続きを始めない方や、必要書類の準備が整わず、結果的に期限直前に申請をすることになる方もいらっしゃいます。このように在留期限の直前に申請を行うということは、本来の在留期限までに審査結果が出ないという状況になる場合もあります。
【特例期間とは】
弊社もそのような状況になった際のお問い合わせを受けることがあり、「オーバーステイでの不法滞在になるのではないか」などと懸念されている方もお見受けしますが、この点、申請が無事に受理されていれば、在留期限が到来してしまっても①審査の結果が出るまで②または本来の在留期間満了から最大2か月間は日本に在留することが可能な「特例期間」(①か②のどちらか早い方)になり、入管はこの特例期間に審査結果を通知することとなっています。この特例期間中はそれまでの生活と特段、変更する点はなく就労資格をお持ちの方は今まで通りに働くこともできますし、身分系の方にも制約は課されません。そして、特例期間中にめでたく許可通知が入管から届いた際は、新しい在留カードが交付され更新許可された方は今まで通りの生活を、在留資格を変更された方は新しい生活がスタートするものだと存じます。
しかし、残念ながらこの特例期間中に不許可通知を受け取ってしまったら…、本来の在留期限が過ぎている状態での不許可通知、今度こそオーバーステイで不法滞在になるのではと考えますが、その際は入管より「特定活動(出国準備)」という在留資格が付与されます。因みにこの在留資格は正に帰国する準備のために与えられた資格ですので、就労や他の活動をすることはできません。このときに付与される日数が「30日」または「31日」であり、たった一日ですがこの意味合いは大きく異なるのです。
【たった一日で何がちがうのか…】
「31日の場合」
特定活動(出国準備)で「31日」が付与された場合、最初の申請で立証不十分で不許可になった場合や、何か改善するべき点があった等の場合、新たに疎明資料を提出することや改善に向けての積極的かつ合理的理由書を提出し、説明することができる等であれば在留資格変更許可申請として再申請が可能です。審査の結果は入管の判断に委ねられますが、申請が受理されたなら新たに特例期間となり最大2か月は在留することができます。
「30日の場合」
さて、「特定活動(出国準備)」が「30日」と記載されていれば、再申請は非常に難しく、受理されることも厳しいと言われています。
例えば素行や在留状態が非常に悪い(在留不良)、そもそも申請内容が虚偽であった、根本的に不許可になった原因を改善、払拭できないなど、いわゆる再申請をしても将来的に結果は変わらない、または申請人本人に再申請の意思がないと入管が判断した場合、この「30日」が付与されます。そしてこの場合には特例期間はないので、遅滞なく期限までに出国するしかありません。
【たった一日、されど一日】
この「たった一日、されど一日」の重要性は永住許可申請における「納税」においても言えることです。永住許可申請での税金や年金の支払いにおいては滞納や未納はもちろん、一日でも支払いに遅れがあれば「適切な時期に支払っていない=国民の義務を履行していない」として、申請しても結果は非常に厳しいものになるものと思われます。また永住許可申請の在留歴や高度人材ポイント制における職歴なども「だいたい」や「おおよそ」で換算される方がいらっしゃいますが、この「一日」の重要性にも留意していただければと思います。
弊社でも永住許可申請含む上記申請を承っておりますので、お気軽にご相談ください。