こんにちは。行政書士法人IMSの洪です。

2024年3月に、特定技能の新たな分野として追加され、2024年末に受入れが開始されたた自動車運送業(トラック、タクシー、バスのドライバー)ですが、他の分野にはない「特定活動期間」というものが設けられていますが、今回はこちらの制度ついて、説明いたします。

「特定活動期間」とは、2025年1月末に施行される予定の改正特定活動告示によって、新たに「特定活動」ビザの55号が追加される予定ですが、外国人がこちらの「特定活動(55号)」ビザで来日し(又は日本国内で変更し)、特定技能1号ビザを取得するための滞在・準備期間と言えます。自動車運送業の特定技能1号を取得するためには、特定技能1号の通常要件の他に、日本の運転免許が必要だったり、タクシー・バス区分では法令で定める新任運転者研修を修了することが必要で、これらの要件を満たさないと特定技能1号を取得することが出来ないため、特定活動期間中に特定技能1号の取得を目指すことになります。

なお、すでに特例措置(特定活動の告示外)として「特定技能1号」ビザに変更を希望される方で、在留期間の満了日までに申請に必要な書類を揃えることができないなど、移行準備のための「特定活動(6月・就労可)」への変更申請が認められていますが、こちらとは別の制度になりますので、ご留意ください。 それでは、特定活動期間で滞在可能な期間やその期間中に従事できる業務内容について、みていきたいと思います。

特定活動期間で滞在可能な期間

■ トラック区分の特定活動期間:最大6ヶ月
■ タクシー・バス区分の特定活動期間:最大1年
それぞれの最大期間の延長はできませんので、定められた特定活動期間中に、免許取得等を行い、特定技能1号への変更申請を行わなければなりません。

特定活動期間中に従事できる業務

特定活動の告示にて定められる活動内容としては、以下になります。

生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を受けながら、受入れ機関との雇用に関する契約に基づき、新任運転者研修を受け(タクシー又はバス運転者のみ。)若しくは車両の清掃等の付随業務(運転免許が不要な業務に限る。)を行う活動又は自動車教習所において教習を受ける活動。

具体的には、以下の活動が考えられます。
●外免切換(外国の運転免許を日本の運転免許に切り替える)手続きによる日本の運転免許の取得
●新任運転者研修を受ける活動(タクシー・バス区分のみ)
●自動車免許を受けるために自動車教習所で教習を受ける活動
●事業所内での日本語研修を受ける活動
●同じ事業所内において、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる運転免許を必要としない付随的に従事する関連業務。こちらの関連業務に当たり得るものとして、次が想定されます。
・車内清掃作業
・洗車作業(トラック区分)
・運賃精算、管理(タクシー・バス区分)
・営業所内清掃作業
・その他、主たる業務に付随して行う作業

つまり、特定活動期間中は、日本の運転免許等の手続きを行うための期間であって、自動車のハンドルを握ってドライバーとしての運転(乗務)業務はできないため、運転(乗務)業務以外に、同じ事業所内で日本人ドライバーが通常行う仕事と同じような仕事のみに従事することができます。

自動車運送業の場合、基本的にまずは特定活動期間として外国人を採用して受け入れてから、日本国内で特定技能1号への変更(切替)準備を行い、特定技能1号を取得してからドライバーとして活動してもらうことになります。ですので、自動車運送業では、特定活動55号ビザ申請と特定技能1号への変更申請と2回のビザ申請業務が必要になってきます。また特定活動期間の「特定活動55号」ビザは、特定技能制度では初となるビザ種類になりますので、申請書類等これから公表される予定になりますし、ビザ申請業務に経験がない事業者の場合は、2回必要となるビザ申請にはかなり負担が出てくることが予想されますので、行政書士のようなビザ専門家へのご相談、ご依頼が必要不可欠なものになるかと思います。

※例えば、日本国内に、必要となる日本の運転免許を所持しており、他諸要件を満たせる外国人材がいれば、特定活動期間を経ず、直接特定技能1号への変更申請が可能です。

ビザ申請からドライバーとして乗務開始までの流れ

以下、あくまで大まかな流れになりますが、ご参考ください。

特定技能ビザ申請等外国人採用の際、ビザ申請業務でお悩みの方は、ぜひ弊社にご連絡ください。

Image Description