こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
猛暑の中での地震や台風等、お盆を前に落ち着かない日々が続きます。日頃から色々と備えをしておかなければならないと感じる今日この頃です。
さて、日銀の利上げや米国雇用統計の発表をきっかけに少し円高に振れて、$1=165円まで行ってしまっていた米国大使館公示為替レートがようやく$1=155円まで戻りました。市中レートとはまだ乖離がありますが、米国ビザ申請を予定されている方にとっては少し嬉しい動きではないでしょうか。Bビザであれば、30,525円だったビザ申請料が、28,675円となりました。
ここのところ良くあるお問い合わせに「ESTAやBビザで渡米した場合、米国で働けるのか?」というものがあります。「働く」と一口に言っても色々とありますから、今回はクイズ形式にしてみました。下記の1~8について、〇か×かを考えてみてください。
- ESTAでは働けないが、Bビザなら米国で働ける。
- 米国内でボランティア活動として、日本語を教える。
- 米国にホームスティで滞在し、ホームスティ先の家業を無報酬で手伝う。
- 会社からの要請によりESTAで渡米し、米国企業でコンサルティングを行う。報酬は米国企業からは受領しない。
- 会社からの要請によりBビザで渡米し、米国企業でコンサルティングを行う。報酬は米国企業からは受領しない。
- 会社からの要請によりBビザで渡米し、米国企業で機械のメンテナンスを行う。報酬は米国企業からは受領しない。
- 米国で作られたグループ会社の製品を米国内で販売する。
- 米国に事業進出のためのマーケットリサーチや投資の準備を行う。
いかがでしょうか。それでは、一つずつ考えていきたいと思います。
1. × : ESTAもBビザも米国内でできる活動に変わりはありません。ESTAやBビザでは米国内で働けません。
2. ×: Bビザで可能な「ボランティア活動」は非常に限定的です。詳細はこちらの記事をご参照ください。
3. ×:たとえ、無報酬であっても、ホームスティ先の家業を手伝うことが労働とみなされる可 能性があります。なぜなら、その対価として、食や住を提供されるためです。
4. および 5. いずれも×: たとえ、米国企業から報酬を直接的に受け取らない場合でも、実質的な渡米目的が就労であれば、ESTAやBビザでの渡米は不可となります。ただし、B-1 in lieu of H-1Bという特殊なBビザを持っていれば、就労可となります。詳細はこちらにてご確認ください。
6. △ :基本的には×ですが、一定の条件下では〇となります。詳細はこちらをご確認ください。
7. ×:米国で製造されたものを実際に販売したり、受注したりすることはできません。これらの活動には就労ビザが必要となります。
8. 〇 :米国内での市場調査や投資のための準備活動はESTAやBビザ渡米で問題ありません。
以上からもお分かりのとおり、「ESTAやBビザでは働けません」。これは、たとえ、米国での報酬がなかったとしても、同じです。日本の企業に在籍していて、あくまで出張ベースで渡米する場合でも同様です。報酬の源泉がどこかは問わず、米国内で就労に相当する活動を行うことはESTAやBビザでは不可となります。これはビザのルールなので、出張先の米国企業からのInvitation Letter があったり、弁護士が書いてくれたポケットレターがあったりしても、変わりません。
ESTAや通常のBビザで認められるのは、単なるミーティング、契約交渉や契約手続き、視察、マーケットリサーチ程度です。営業利益に結び付くような活動はできません。いずれもそれほどの長い米国滞在が必要なものではないため、必然的に長い滞在予定期間は就労を疑われます。
IMSでは米国非移民ビザの相談を随時受け付けております。ぜひお気軽にお問合せください。
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