こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
FIFAワールドカップ2026の組み合わせ抽選会が行われ、グループステージの試合日程が決まりました。日本代表は下記の日程での試合となりました。
6月14日 対オランダ @ダラス(米国)
6月20日 対チュニジア @モンテレイ(メキシコ)
6月25日 対アルバニア/ポーランド/スウェーデン/ウクライナ @ダラス(米国)
選手やスタッフは恐らく、チャーター機での移動でしょうから、国を超える移動でも問題はないと思われますが、応援する人たちにとっては、グループステージの3試合を現地で追いかけて見ようとした場合、国境を越えなければならず、それなりに大変かもしれません。チケット取得と同じぐらい大事なのはビザについて考えておくことです。せっかくチケットやフライト、ホテルをおさえられたとしても、それだけでは現地観戦はできません。
調べてみたところ、メキシコについては日本人の場合、観光目的で180日以内の滞在であれば、ビザは不要なようです。米国も観光目的であれば、ビザは不要ですが、ESTA(電子渡航認証システム)において渡米前に事前認証を受けておかなければ、米国行きの飛行機に搭乗することすらできません。逮捕歴や犯歴、米国での入国拒否歴や不法滞在歴、米国ビザ却下歴、イランやキューバ等への渡航歴などがなければ、ほとんどの方は問題なくESTAを取得できるでしょう。ただし、ESTA申請は単なる入力ミスであっても簡単に却下となります。やり直しは原則できません。現在はパスポートの身分事項ページをアップロードすることにより、身分事項を大方吸い取ってくれますので、身分事項については誤りが発生する可能性は低くなりましたが、それでも適格性の質問で誤った回答をしてしまい、却下になってしまうケースが絶えません。そうなるとビザ申請取得をするしか、渡米できる方法はなくなります。
ESTAが却下されてしまったら・・・
心当たりがないのにESTAが却下されてしまった場合、または明らかな入力ミスが発覚した場合、ESTAを管轄するCBPという役所に問い合わせてみましょう。メールあるいは電話で問い合わせ可能です。ただし、基本的には申請者本人(子どもであれば、その親)からの問い合わせでないと、一般的な回答しかもらえませんので、基本的には自力で行う必要があります。場合によっては、誤った申請をキャンセルしてもらえる可能性がありますが、キャンセルをしてもらえるのは乳幼児の申請のことが多いようです。キャンセルしてもらえたら、誤りがないように慎重に再申請してください。
ビザ申請はいつすべき?
何らか事情により、ESTAを使用できない場合、残る手段はビザ申請のみとなります。観光であれば、Bビザというものを取得しなければなりません。ワールドカップまでまだ半年ありますので、万が一、ESTAがダメだったら、その時にビザ申請すれば良いと思っている方がいらしたら、そんな悠長なことを言っているとワールドカップ観戦に間に合うようにビザ取得ができないかもしれません。米国ビザ申請の際には、基本的に面接が必須です。面接を受けるためには面接予約をしなければなりません。この面接予約枠が非常に少ない状況が続いています。現時点で東京での最短のBビザ面接予約枠は来年の4月です。面接で許可となれば、通常1週間程度でビザが発給されますので、今なら間に合う可能性が高いですが、先延ばしにしているとあっという間に夏まで面接予約枠が取れないということにもなりかねません。ワールドカップを是が非でも現地観戦なさりたい方は、今すぐにESTA申請をしましょう。ESTAの最長有効期間は2年間(ただし、パスポートの有効期限が2年よりも短い場合にはパスポートの有効期限まで)です。今取得しても、6月に取得してもそれほどの大差はありません。ESTAが使えない方はすぐにBビザの申請準備を始めましょう。面接予約枠は日々遠のいています。
米国とメキシコ、カナダの行き来で注意すべきこと
ワールドカップは2026年6月11日~7月19日までの1か月ちょっとです。全ての日程を現地で過ごす場合、ESTA渡米でも基本的に問題はありません。ESTAの最長滞在可能期間は90日です。ただし、ワールドカップ観戦に絡めて、もう少し長く米国に滞在したいと考える場合には注意点があります。ESTA渡米の場合、入国から最長でも90日以内に米国を出国しなければ、オーバースティになってしまいます。たまに、90日ギリギリのタイミングでメキシコやカナダに一旦出国し、すぐに再び米国に戻れば、この90日がリセットされて、また新たな90日が付与されると思っていらっしゃる方がおられるようですが、それは誤りです。ESTA渡米し、その後、メキシコ、カナダ、カリブ海諸国に渡航し、再び、米国に戻る場合には90日から最初に米国に滞在期間が差し引かれます。したがって、例えば、米国に80日滞在し、メキシコに出国し、再び米国に戻ると、通常、良くても10日しか滞在期間は付与されません。10日しかもらえなかったにも関わらず、いつもどおり90日あると勘違いして、気付いたらオーバースティということも良くあります。
また、ワールドカップ期間中はあまりないことを願いたいですが、国境を超えるということは入国のたびに入国審査を受けなければならないということになります。入国審査を受けなければならないということは、常に入国拒否に遭う一定のリスクがあるということです。気付かずに持ち込めないものを持っていた、大金を持っていた、あまりに渡米歴が多く怪しまれた、就労を疑われた等の理由で多くの日本人が米国で入国拒否に遭っています。今回は3カ国共催ということで国境を超える移動が伴うケースが多くなりそうですので、十分にお気をつけいただければと思います。
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