こんにちは。行政書士法人IMSの洪です。
永住申請を検討している方から、非常によくいただくご質問があります。
「税金や年金は、今は全部払っています。永住申請できますか?」
ここで注意したいのが、 「申請時点で未納がない=問題がない」とは限らない という点です。
2026年10月1日に改定された永住許可に関するガイドラインでは、 所得税・住民税等の税金、公的年金、公的医療保険などの公租公課について、 適切に支払っていない場合には消極的に評価されることが、より明確に示されました。
重要なポイント
永住申請では、申請直前に未納分をすべて支払えば、それだけで問題がなくなるとは限りません。
過去に滞納処分を受けたことがあるなど、 適切な時期に支払っていなかった事実が確認された場合にも、原則として消極的に評価されます。
特に、住民税を普通徴収で支払っている方、国民年金や国民健康保険料を自分で支払っている方は、 「支払ったか」だけではなく、 「納付期限までに支払ったことを証明できるか」 も重要になります。
目次
- 「全部払った」だけでは十分ではない?
- 税金・年金を遅れて払ったことがある場合
- 普通徴収・国民年金・国民健康保険の方は領収書を保管
- 永住申請では何年分確認される?
- 本人だけでなく家族の納付状況も確認される?
- 会社経営者・事業主はさらに注意
- 「遅納がある=絶対不許可」ではないからこそ事前確認を
永住申請は「税金・年金を全部払った」だけでは十分ではない?
永住許可の審査では、税金や社会保険料などの公的義務を適切に履行しているかが重要なポイントになります。
2026年10月1日改定の永住許可ガイドラインでは、「公租公課」として、 所得税、住民税、法人税、固定資産税等の税金のほか、 公的医療保険や公的年金などが挙げられています。
そして、 申請時点で未納がなくても、過去に適切に支払っていない状況が確認された場合には、原則として消極的に評価する とされています。
したがって、
- 納付期限を過ぎて支払った
- 催促を受けてから支払った
- 滞納していた分を永住申請前にまとめて支払った
というケースでは、 単純に現在の残高が「未納0円」であることだけを見て判断することはできません。
税金・年金を遅れて払ったことがあります。永住申請はできますか?
ここが、実際の永住相談で非常に重要なポイントです。
インターネット上では、
「一度でも遅れたら永住は無理」
「2年間待てば大丈夫」
「5年間問題がなければ大丈夫」
など、さまざまな情報を目にすることがあります。
しかし、 「○年間待てば必ず許可される」という一律のルールが公表されているわけではありません。
永住許可は、申請者の在留状況、収入、公租公課の納付状況、家族状況などを含めて総合的に審査されます。
「1回遅れたことがあるから絶対に不許可」でも、 「今は全部払ったから大丈夫」でもありません。
いつ、何を、どのくらい遅れて支払ったのか。
その後どのように適正な納付を継続しているのか。
申請ルート上、どの期間の資料を提出する必要があるのか。
これらを確認して申請時期を検討する必要があります。
普通徴収・国民年金・国民健康保険の方は「領収書」を捨てないでください
会社員の方で、住民税や社会保険料が給与から天引きされている場合と異なり、 自分で納付する期間がある方については、 納付期限内に支払ったことを示す資料が重要になります。
例えば、
- 住民税の領収証書
- 銀行振込の記録
- Web通帳の取引履歴
- 国民年金保険料の領収証書
- 国民健康保険料(税)の領収証書
などです。
出入国在留管理庁の必要書類案内でも、 これらの領収証書は 「遅延納付がないことを証明するため」 の資料として提出することが明記されています。
IMSからのお願い
将来、永住申請を考えている方で、 住民税・国民年金・国民健康保険料をご自身で納付している場合は、 領収証書や振込履歴を捨てずに保管してください。
永住申請では税金・年金を何年分確認される?
必要となる資料の対象期間は、 どのルートで永住申請をするかによって異なります。
例えば、現在の出入国在留管理庁の案内では、 就労資格や「家族滞在」等から一般的な永住申請をする場合、 住民税については原則として直近5年分、 公的年金・公的医療保険については原則として直近2年分の資料が求められています。
一方、日本人・永住者・特別永住者の配偶者として申請する場合は、 住民税について原則直近3年分、 公的年金・公的医療保険について原則直近2年分です。
日本人等の実子の場合には、さらに異なる取扱いがあります。 また、高度人材外国人などの特例で申請する場合も、必要となる期間が異なります。
「永住は税金5年・年金2年」と一律に覚えるのは危険です。
申請者の現在の在留資格、家族関係、高度人材ポイント等によって、 永住申請ルートそのものが異なるためです。
2026年の永住審査では「本人だけ」見ればよいわけではありません
2026年10月1日改定の永住許可ガイドラインでは、 公租公課の支払いについて、 原則として同一生計世帯単位で審査を行う ことが明記されています。
つまり、
「私は会社員で、税金も年金も給与から全部引かれています」
という場合でも、 それだけで確認が終わるとは限りません。
配偶者など、申請者と同一生計にある家族の収入・納税・社会保険の状況についても、 申請ルートや家族状況に応じて確認する必要があります。
永住申請を家族で同時に行う場合はもちろん、 申請者本人だけが永住申請する場合でも、 世帯全体の状況を事前に整理しておくことが重要です。
会社経営者・事業主の永住申請はさらに注意
会社経営者や社会保険適用事業所の事業主の場合には、 本人自身の税金・年金・健康保険だけを確認すればよいとは限りません。
出入国在留管理庁の必要書類では、 社会保険適用事業所の事業主について、 事業所における健康保険・厚生年金保険料の納付状況を証明する資料 も求めています。
そのため、
- 本人の住民税・所得税等
- 本人・家族の年金、健康保険
- 会社側の社会保険料
- 法人税等、会社に関係する公租公課
など、確認すべき範囲が広くなることがあります。
「遅納があります。永住申請できますか?」は、支払履歴を見ないと判断できません
永住申請について、
- 住民税を一度遅れて支払った
- 国民年金の未納期間があった
- 国民健康保険料をまとめて支払ったことがある
- 転職の間に国民年金・国民健康保険へ切り替えた期間がある
- 配偶者に税金や社会保険料の遅納がある
- 会社経営者で、会社側の社会保険料に不安がある
という場合、 インターネット上の「○年待てば大丈夫」という情報だけで申請時期を決めることはおすすめできません。
まず、現在の在留資格、申請ルート、過去の納付履歴を確認し、 どの期間が審査・提出資料の対象となるのかを整理する必要があります。
税金・年金の遅納があり、永住申請の時期に迷っていますか?
現在の在留資格、申請ルート、納付状況を確認したうえで、永住申請を進める際の注意点を整理します。 IMSの永住申請サポートを見る
2026年10月の永住ガイドライン改定について
2026年10月1日に改定された永住許可ガイドラインでは、 公租公課だけでなく、収入、日本語能力、日本の制度・ルールへの理解など、 永住審査で考慮される事項がより具体的に示されています。
本記事では税金・年金・健康保険料の納付状況に絞って解説しています。 改定内容全体については、以下の記事をご覧ください。
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参考:出入国在留管理庁
※永住許可は、申請者の在留状況、収入、公租公課の納付状況、家族構成その他の事情を総合的に考慮して審査されます。本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別案件の許可を保証するものではありません。









