こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
夏になって、アメリカビザのお問い合わせが増えてまいりました。アメリカに行くのに必要なもの!と言えば、ESTA(エスタ)でしょうか。渡米なさるほとんどの方がESTAでのご渡航かと思いますので、本日はESTAについてクイズ形式で解説してみたいと思います。
次の中で正しい選択肢はどれでしょうか?
- ESTAはアメリカビザの一つである。
- ESTAは日本人の特権であり、他の国籍の人は使えない。
- ESTAは出発空港でのチェックイン時に申請すれば、問題ない。
- ESTAの手数料は7,700円である。
- ESTAの入力を誤ってしまった場合には、子供に限っては米国大使館に連絡すれば、修正できる。
- ESTAの有効期限は2年であるが、それよりもパスポートの有効期限が短い場合には、新旧2冊のパスポートを渡米時に持参する必要がある。
- ESTAでの渡米目的は観光に限られる。
- ESTA入国で米国に滞在できる期間は3か月である。
- ESTA入国の場合、米国内で滞在期間の延長手続きができない。
- 有効なESTAを所持している場合には、「はい」「いいえ」で答える適格性の質問に変更があったとしても(例:逮捕された、イランに渡航した)、ESTAの有効期限までは問題なく使用できる。
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いかがでしたでしょうか。
答えは、⑨です。正解だった方はESTA問題でトラブルになることはないでしょう。
それでは、解説していきます。
ESTAとは?
- ESTAはアメリカビザの一つである。
⇒誤りです。ESTA(Electronic System for Travel Authorization)は決してビザではありません。ビザなし渡航が認められている人に対して、米国側が渡航者に要求している事前審査のための電子渡航認証システムです。
2. ESTAは日本人の特権であり、他の国籍の人は使えない。
⇒誤りです。ESTAは2022年8月現在、40か国の国籍者が使用できます。これは米国と各国との査証免除協定に基づく措置です。
3. ESTAは出発空港でのチェックイン時に申請すれば、問題ない。
⇒誤りです。以前は申請直後に承認されていましたが、現在は承認されるまで1-2日掛かることが多くなっています。米国側は少なくとも渡米日の72時間以上前にESTA申請をすることを強く推奨していますが、万が一、ESTAが承認されなくてもビザ申請をする期間を確保するため、ご渡米の1か月前までには申請なさることをお勧めします。
4. ESTAの手数料は7,700円である。
⇒誤りです。$21です。
5. ESTAの入力を誤ってしまった場合には、子供に限っては米国大使館に連絡すれば、修正できる。
⇒誤りです。大使館や領事館では修正はできません。米国のCBP(U.S. Customs and Border Protection)に連絡すれば、乳幼児であれば、訂正(リセット)してもらえる可能性はあります。単なるミスであっても、大人の場合にはまず修正してもらえることはなく、ビザ申請をするよう求められます。
6. ESTAの有効期限は2年であるが、それよりもパスポートの有効期限が短い場合には、新旧2冊のパスポートを渡米時に持参する必要がある。
⇒誤りです。ESTA取得時にパスポート期限が2年よりも短い場合には、ESTAの有効期限もパスポートの期限までとなります。新しいパスポート取得後に再度ESTAを申請してください。
7. ESTAでの渡米目的は観光に限られる。
⇒誤りです。ESTAは主に観光か短期商用目的で使用可能です。
8. ESTA入国の場合、米国に滞在できる期間は3か月である。
⇒誤りです。最大滞在可能期間は90日です。数えてみると分かりますが、3か月=90日ではないので、ご注意を!
9. ESTA入国は米国内で滞在期間の延長手続きができない。
⇒正解です。ESTA渡航の場合には、滞在期間の延長やビザステイタスの変更はできません。
10. 有効なESTAを所持している場合には、「はい」「いいえ」で答える適格性の質問に変更があったとしても(例:逮捕された、イランに渡航した)、ESTAの有効期限までは問題なく使用できる。
⇒誤りです。名前・性別・国籍に変更があった場合、前回ESTAを申請した際の適格性質問の回答に変更が生じた場合には、再申請が必要です。
米国のグリーンカード、あるいはビザを持っていない方がアメリカに行こうとする場合、避けて通れないのがESTAです。ESTAの性質を良く理解した上で、慎重に申請しましょう。