永住許可申請するには

こんにちは、行政書士法人IMSの桑原です。

弊社の「お客様の声」にも嬉しいお声が沢山届いていますが、弊社は様々なご状況の方の永住許可申請を代行させていただいています。

そんな中、「永住権が取れた後は、日本に住まなくても永住権は維持できますか?」というご質問をよくいただきます。回答は後回しにして、まずは日本の永住許可申請のことについて書きます。

日本の永住許可申請は、2019年7月を境に提出する申請書類がガラッと変わりました。(例えば就労の在留資格を持つ人が永住許可申請をする場合に必要な書類はコチラ

これ以前は、必須提出の書類は少なく、専門家の手を借りずとも許可が取れていた方は多くいらっしゃったと思います。弊社でも、提出する書類が変わった後、お問い合わせ及び申請代行のご依頼件数が大幅に増えました。

永住許可申請のポイント

現在は、国民年金保険料の納付状況、健康保険料の納付状況、納税の状況等々、とにかく、国民として支払が義務付けられているものに対する支払がきちんと為されているかに焦点を置いた申請書類となっています。

この変更は、恐らく、もともと永住者を増やすことで納税や年金納付額を増やす狙いだったのが、そうなっていないため取締強化のために行われたものだと思います。

日本の永住制度は、戦後日本に取り残されたり連れて来られた外国籍の人向けに設けられたものですが、海外との往来が盛んになった現在、明確な指標や目標を再構築する時期に来ているのではないでしょうか。

2019年の入管白書では、「2018年12月に成立した入管法等改正法に係る参議院法務委員会の審議において、永住許可申請に対しては、厳格に審査を行うべきとの附帯決議がなされている。(後省略)」→なので、永住の在り方を検討していく。というお決まりの先延ばし文句で終わっています。

現行法では、永住権獲得後は日本に居住していなくても納税していなくても7年毎にカードの有効期間の更新申請を行うだけです。その申請の際に納税情報等を提出する必要はありません。

在留カードの有効期間更新申請書には、様々な情報を記入する箇所がありますが、ただの申告に留まり、特に内容について追及されることはありません。そして、永住の許可は、審査対象年数内に善行で独立生計の維持(単身年収300万円超)が可能なことを証明すれば取得できます。要するに出しっぱなしです。

他国の永住を見てみますか。例えば米国。米国は、超能力が高い人・超お金持ち・超運のいい人(抽選永住)、難民の人等が永住権を取得できます。居住年数は問われません。唯一1972年1月1日以前からずーっと米国に居住している人は、居住年数要件で永住申請ができます。そして、永住権を取得後は、継続した6か月間を米国国外で過ごした場合は、事前に手続きをしていない限り、永住権がはく奪されます。

英国は日本と似ています。10年間住んだら永住申請可能、英国人パートナーがいれば永住申請可能等々。永住権取得後は継続して2年以上英国国外で居住すると永住権がはく奪されるようです。

ドイツ。優秀な人、数年居住した人、ドイツ人と結婚している人、ドイツ語が話せることを条件として永住申請ができます。永住権取得後の条件はザッと調べてもでてきませんでした。

フランス。5年の居住歴があれば永住申請できるようです。永住権取得後は米国と同様6か月間継続して国外に居住した場合ははく奪。

中国。米国と同じような条件を満たせば永住権を取得でき、永住権取得後の情報はザッと調べても出てこず。

さて、ここで冒頭の質問の答えです。答えは「はい、日本に住まなくても永住権は維持できますよ」です。申請時に生計維持できていても、後にできなくなる場合もあります。でもそれでもオッケー。まぁ本当に日本は優しい。

2021年10月に入管から発表されている最新のデータでは、2021年6月末日時点に日本に在留する永住者は81万7,805人となっています。

1951年から続く永住制度。何度か改正されていますが、次の見直し時には、もうちょっと様々な面を考慮した緻密な制度にした方がいいんじゃないかな、と現場で実務に就く者は思うのでした。