こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。
9月のジョージア州での大規模摘発の影響か、最近は来年度、従業員が渡米を予定されている企業、エンジニアの方々から多くのお問い合わせをいただいております。ようやく涼しくなってきたところで、来年度(来春以降)の話をするのは早すぎるようにも思われますが、ビザ(特にBビザ)の面接予約枠は少ない状況が続いており、現時点で最短のBビザ面接予約枠は2月後半ですので、決して早過ぎるということはありません。アメリカビザに関しては、早め早めのご対応を強くお勧めいたします。

さて、10月4日に米国国務省から FACT SHEET: U.S. Business Visas (B-1) and Allowable Uses(米国商用ビザ(B-1)およびその活動許容範囲についての概要書)が公表されました。この文書は現在、在韓国米国大使館のウェブサイトにのみ掲載されているようですが、その内容は決して韓国人に限られたものではなく、渡米しようとする全ての外国籍者が対象になるようです。

FACT SHEETの概要

  • B-1ビザで行うことが可能な渡航目的、活動の概要について記載されているが、法的助言ではない。
  • 特に商業労働者又は産業労働者(Commercial or Industrial Workers)に関する規定についての説明あり。
  • 米国滞在中に労働に従事することを意図する申請者に対して、B-1ビザを発給することは適切ではない。
  • ESTA渡米は、B-1ビザと同様の活動を行うことができる。

B-1やESTAでの活動が許容される事例
1) 米国における有償雇用を伴わない商業取引に従事すること
2) 契約交渉
3) ビジネス関係者との相談
4) 訴訟活動
5) 科学、教育、専門職、またはビジネス関連の大会、会議、セミナーへの参加
6) 個人研究活動

例外(米国での労働活動が可能となるもの):Commercial or Industrial Workers
米国外の企業から購入した商業用または産業用設備・機械の設置、保守、修理を行うため、または米国人労働者に当該業務の実施をトレーニングさせるために渡米する者。
以下の全ての条件を満たす必要あり。

  • 売買契約において売主が当該サービスまたはトレーニングを提供することを明示的に要求していること
  • ビザ申請者が売主の契約上の義務であるサービスまたはトレーニングの実施に不可欠な独自の知識を有すること
  • 米国からの報酬を受け取らないこと
  • 建築または建設作業を行わないこと

FACT SHEET公表の意味

  • このFACT SHEETに特別な新たな情報が含まれているわけではありません。本欄でも繰り返しお伝えしてきている下記のことが改めて強調されております。
  • ESTAとBビザで米国内での活動内容に差異はない。
  • B-1ビザは就労できるビザではない。

また、在韓国米国大使館ウェブサイト上でのみ、このFACT SHEETが公表されたこと、Commercial or Industrial Workersについて、わざわざ言及していることを鑑みると、やはりジョージア州での事件を受けて、改めて、B-1ビザやESTAで許容される活動範囲が示されたということかと思われます。Commercial or Industrial Workersであることを示して(売買契約書等を提示して)、Bビザ申請を行い、ビザが発給された場合、通常は、ビザのAnnotation(備考欄)にCommercial or Industrial Workersであることが明示されます。恐らく、ジョージア州の大規模摘発で拘束されてしまった多くの方は、Annotationに何の記載もないBビザあるいはESTA渡米であったことが推測されます。逆に言えば、現場で働いていた外国籍の方々が Commercial or Industrial Workersであることが明示されたBビザを持っていれば、何の問題もなかったということです。

以上のことから、米国内での作業が必要で条件に合致する場合には、Annotation付のBビザのご取得をお勧めいたします。なお、以前の記事でもご紹介しております B-1 in lieu of H-1Bも同様に短期間米国内で就労が可能なBビザとなりますが、9月のH-1Bビザに関する大統領令を受けて、その発給基準が見直されているようで、現在、その発給は一時停止されております。

弊社ではBビザについても豊富な実績がございますので、お困りの場合にはぜひ一度、お問い合わせください。

なお、本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。

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