こんにちは。行政書士法人IMSの竹内です。

日本に在留している外国人の方から時折、「自分の親と一緒に暮らしたいのですが呼ぶことはできますか」というご質問をいただきます。

時折、永住権を取得すれば、帰化申請をして日本人になれば、母国の親を呼ぶことができると考えていらっしゃる方も散見します。

今回はこちらについてお話させていただきます。

【親、兄弟を日本に呼ぶための在留資格はあるのか】

結論から申し上げますと、一部の在留資格を除いて、現段階で親や兄弟を日本に

呼ぶための在留資格は存在しません。

就労系の在留資格では、扶養者である夫が被扶養者である妻(配偶者)と子を「家族滞在」という在留資格で在留資格認定証明書交付申請を行い、呼び寄せることは可能ですが、親や兄弟を呼ぶことはできません。

これはたとえ「永住者」を許可されたとしても、帰化申請を行って日本国籍を取得したとしてもそもそも呼び寄せるための在留資格が存在しないので、条件緩和になるものではありません。

【どんな在留資格なら呼び寄せることができるのか】

では、どのような在留資格なら呼ぶことが可能なのでしょうか。

  • 高度専門職1号(2号)

高度専門職1号(2号)の在留資格であれば、一定の条件のもと母国の親を呼び寄せることが可能です。

主な要件を記します。

  1. 申請(親が入国)の時点において、高度専門職外国人の世帯年収(予定)が

800万円以上であること。
(※)「世帯年収」とは、高度専門職外国人が受ける報酬の年額と、当該外国人の配偶者が受ける報酬の年額を合算したものをいい、配偶者以外の者の報酬などは含まれません。

  • (親の入国目的が)高度専門職外国人、またはその配偶者の7歳未満の子の養育を行おうとするものであること。
  • 高度専門職外国人の配偶者、または妊娠中の当該高度専門職外国人に対しての介助、家事その他の必要な支援を行おうとするものであること。

高度専門職外国人が安心して日本で就労できるようにとの施策であるものと思います。ですが、条件が付与されていますので、子が7歳以上になったとき等は日本での活動内容を失いますので、帰国することになります。

  • 特定活動 (老親扶養)

こちらの在留資格は特定活動の「告示外」となり、そもそも法律に存在しません。

母国で年老いた親を誰もみるものがいない、しかも大病を患う等、単身では生活できない、他に選択肢がない場合に特例的に認められる在留資格です。

ゆえに法務大臣が「人道的な理由にかなう」場合のみ許可を出す資格となるので、審査も非常に厳しいものになり、客観的な疎明資料をすべて用意し、複数回申請をしたとしても厳しい結果になることも多いと言われています。

誰が考えても致し方ないという状況で、他に何の選択肢も存在しない場合のみ、という点にて考慮されるのがよろしいのではと思います。

弊社でも高度専門職1号への認定証明書交付申請や変更許可申請を承っておりますのお気軽にご相談いただければ幸いでございます。

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