皆さま、こんにちは。IMSの下山です。
早いもので今年も残すところ3か月となりました。年内にやり残すことがないよう日々を送っていきたいものですね。

さて、先日このような報道を目にしましたので、記事を参考にこの問題について考えていきたいと思います。
「外国人 医療気兼ねなく 受診促進目指す団体設立」
群馬県の高校に通う学生による取り組みだそうで、日本で生活する外国人が病院を受診する際に抱える不安を解消し、皆等しく希望する医療を受けられる社会づくりを目指す、とても素敵な取り組みです。

発起人の学生は小学生の時に住んでいた米国で病院を受診した際に、現地の医師が簡単な英語で優しく接してくれたことに感動したそうです。その一方で、帰国後に日本では外国人技能実習生による痛ましい事件が起こったり、外国人が受診をためらっている現状を目の当たりにし、問題意識を抱くようになったそうです。
そこで、外国人も平等に医療を受けられる社会づくりに向け、同じ思いを持つ仲間5人と団体「Cejaf(セジャフ)」を結成。ご自身が通う塾が開く“社会課題解決プランを競う大会”への参加を目指して本格的に活動を始めたそうです。

具体的な取り組みとしては、マタニティーマークにヒントを得て、一目で外国人と分かるマーク「ユニバーサルマーク」と、マークを使ったキーホルダーの作成を考案。詳細は上述の記事をご参考いただければと思いますが、表面には地球のイラストと「やさしい日本語での対話をお願いします」というメッセージを記載。裏面には外国人の個人情報や日本語のレベルなどが書き込めるデザインにしたそうです。
実際に外国人に試してもらう社会実験も実施。外国人からは好評を得たそうです。
こうした取り組みが評価され、同大会では特別賞を受賞。現在は大学受験を控えているため活動を休止しているそうですが、大学進学以降も活動を続け、幅広いプロジェクトに取り組む構想を温めているそうです。

以前こちらのブログでもお伝えいたしましたが、「共生社会の基盤整備に向けた取組」は政府も重要課題として挙げている問題です。それを、高校生という若い世代が問題視し、具体的な形にして社会に発信したということはとても評価すべきことだと思います。

また同じく群馬県にある自治体ではこのような多文化共生の取り組みがなされています。
人口減・少子高齢化が進む日本にとって外国人の働き手は非常に貴重な存在であり、また、入国規制も大幅に緩和されつつある中、外国人材の受け入れも徐々に活発になっていくと思われます。
日本人にとっても外国人にとっても住みやすい社会にしていくために、今後もこのように個人・団体や自治体が積極的にこの問題に取り組んでいくことを切に願います。