こんにちは。行政書士法人IMSの松井です。

ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックが始まり、眠れない日々が続く方も多いのではないでしょうか。今年はFIFAワールドカップがアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催で行われるほか、2028年にはロサンゼルスオリンピックが控えているためか、最近、米国国務省はアスリート、そのコーチ、スポーツチーム等に関係するB-1ビザに関するマニュアル(9FAM)を大幅に改訂しています。本日はスポーツ関係者に関する規則変更について見ていきたいと思います。

B-1ビザに該当するプロスポーツ選手

トーナメントやスポーツイベントへの参加に対する賞金以外、米国から給与や支払いを受けていないプロスポーツ選手には、以下の条件を満たす場合、B-1 ビザに該当する可能性があります。

  1. 主な事業所または活動拠点が米国外にある。
  2. 給与は主に米国外で発生する。
  3. チームスポーツである場合、当該チームは国際リーグに所属しているか、スポーツが国際的な側面を持っている。

スポーツ大国の米国では、多くのアスリートが米国内でトレーニングをしたり、米国での試合に参加したりする際にB-1ビザを利用してきたと思われますが、従来の規則が大幅に厳格化されました。

今回の改訂により、陸上競技、テニス、ゴルフなどの個人競技の選手で年間を通して米国でトレーニングを行っているアスリートやマチュアからプロへ転向するキャリア初期のアスリート等にとっては、B-1を利用できなくなる可能性があります。

サポートスタッフに係る規定の明確化

今回の改訂はプロスポーツ選手にとってはルールが厳格化された一方、その選手のサポートスタッフにとっては朗報かもしれません。選手にとって必要なサポートスタッフ(コーチ、トレーナー、栄養士、医療スタッフ、データアナリスト等)について、B-1ビザの該当性が明示されました(これまではこれらサポートスタッフに関する規定はなく、グレーなところでした。)。

下記の条件に該当すれば、サポートスタッフもB-1で可とされました。

  1. サポートする選手やチームは主に米国外に拠点を置いている。
  2. サポートスタッフが米国外でも同様のサービスを提供している。
  3. サポートスタッフの収入は主に米国外で発生している。

これは、2026年のFIFAワールドカップや2028年のオリンピックなど、今後、米国で開催される主要な世界的スポーツイベントを前に、多数の国際的なアスリートやスタッフが一時的に米国に入国することになることを見据えての改訂かと思われます。

国際的スポーツイベントへの参加者

スポーツの試合は選手やそのサポートスタッフだけがいれば、試合が成り立つわけではありません。当然ながら、審判や試合運営のためのスタッフが必要になります。この点も改訂がなされています。

  1. ・国際的なスポーツイベント(FIFAワールドカップやオリンピックなど)のレフリー、ジャッジまたは運営を行うために雇用された者には、B-1ビザが発給される場合があると明記されました。これらの外国人は、雑費の支払いを除き、米国源泉から給与またはサービス料を受け取ることはできません。
  2. FIFAワールドカップ2026の期間中に米国でボランティアとして参加するためにFIFAに選出され、認定された申請者には、B-1ビザが発行される場合があります。申請者は、FIFAまたはその他の機関から、サービスに対する給与または支払いを受けることはできません。

報酬を伴わないボランティア活動なら、どんな活動でもESTAやB-1ビザで可というわけではありません。原則、米国公認の宗教団体または非営利組織によって行われるボランティアプログラムに参加するために渡米する場合、活動が無報酬、または米国内での一時滞在に必要な経費以外は米国側から給与や報酬を受けない等の条件に該当した場合のみB-1ビザに該当します。

FIFAワールドカップには恐らく多くのボランティアスタッフが必要になるため、限定的に当該ボランティアスタッフもB-1ビザで可としたものと思われます。

米国で開催されるスポーツイベントに参加される選手、そのサポートスタッフ、また、試合ご関係者の方々がビザのトラブルで入国できない!というようなことが起こらないことを切に願います。こういったルールや運用はいつの間にか変更されていることがありますので、常に最新情報を収集なさることをお勧めいたします。

なお、本ブログは現時点での情報であり、最新情報についてはお客様の責任において、政府公式サイト等でご確認ください。

Image Description